顎骨腫瘍がくこつしゅよう
顎骨腫瘍は、あごの骨(上あご・下あご)にできる腫瘍の総称で、良性のものから悪性のがんまで含まれます。多くはゆっくり進行し、あごのふくらみや歯のぐらつきで気づかれますが、放置すると顔の変形やしびれ、がんの場合は命に関わることもあるため、早期の受診と診断が大切です。
目次
⚫︎顎骨腫瘍とは?
顎関節症は、耳の前あたりにある「あごの関節(顎関節)」と、その周りの筋肉・靱帯(じんたい)などに負担がかかり
- あごの痛み
- 口が開きにくい(開口障害)
- あごを動かすと音がする(関節雑音)
などの症状が出る状態の総称です。
あごの関節は、下あごの骨と頭の骨の間に「関節円板(クッションのような軟骨)」がはさまった複雑な構造をしています。ここに負担がかかり続けると、筋肉がこわばったり、関節円板がずれたりして、痛みや異常な音、動かしにくさが出てきます。
原因は1つではなく、かみ合わせ、歯ぎしりや食いしばり、ストレス、姿勢の悪さなど、さまざまな要因が組み合わさって起こると考えられています。
⚫︎顎骨腫瘍の原因
顎関節症の原因は「これだけ」と決めつけられることは少なく、次のような要素が重なって起こることが多いです。
歯ぎしり・食いしばり
寝ている間の歯ぎしりや、日中の食いしばり(仕事中の集中している時など)が、長期間続くことで、顎関節や筋肉に負担がかかります。
かみ合わせの問題
歯並びやかみ合わせのバランスが悪いと、一部の歯や顎関節に負荷が集中し、筋肉や関節に痛みが出やすくなります。ただし、かみ合わせだけが原因とは限らず、「多くの要因のうちの1つ」と考えられています。
ストレス・緊張
精神的なストレスや緊張が続くと、無意識のうちに歯を食いしばることが増えたり、筋肉がこわばりやすくなります。その結果、顎関節や咀嚼筋(そしゃくきん:ものをかむ筋肉)に痛みが出ることがあります。
姿勢の悪さ
長時間のパソコン作業やスマートフォン使用などで頭が前に出た姿勢になると、首や肩の筋肉が緊張し、あご周りのバランスも崩れやすくなります。
⚫︎顎骨腫瘍の症状は?
顎関節症の主な症状は次の3つと言われています。
あごの痛み(顎関節痛・筋肉痛)
食事や会話、あくびなどで口を開けると、耳の前や頬のあたりが痛むことがあります。押すと痛い「押さえ痛み」が出ることもあり、こめかみや頭、首の痛みとして自覚されることもあります。
口が開きにくい(開口障害)
指2本分くらいしか口が開かない、途中で引っかかる感じがある、といった症状です。ひどい場合には、歯ブラシを口の奥まで入れにくくなったり、大きなものが食べられなくなります。
あごの音(関節雑音)
口を開け閉めする時に、「カクッ」「ジャリジャリ」「コリコリ」といった音が耳の前で聞こえたり、自分で感じたりします。音だけで痛みがない場合、必ずしも治療が必要になるわけではありませんが、他の症状があるときは注意が必要です。
そのほかに
- 頭痛や肩こり
- 耳の前の違和感やだるさ
- 耳のつまり感、耳鳴り
などを伴うこともあり、「原因不明の顔面のだるさ・重さ」として長く悩まれる方もいます。
⚫︎受診の目安
次のような場合には、一度医療機関で相談することをおすすめします。
- 口を開けるとあごが痛い状態が、数週間以上続いている
- 口が指2本分ほどしか開かない、または急に開かなくなった
- 口を開け閉めすると「ガクッ」と関節がひっかかる感覚がある
- あごの痛みとともに、頭痛や顔の片側の痛み、耳の違和感が続いている
- あごが外れやすい、何度も外れたことがある
受診先としては、歯科・歯科口腔外科が中心になりますが、症状によっては整形外科や耳鼻咽喉科などと連携して診療が行われることもあります。
「痛みは軽いけれど違和感が続いて気になる」といった場合も、早めに相談しておくと、セルフケアや生活習慣の見直しで悪化を防げることがあります。
⚫︎診断方法と治療方法(全体像)
顎関節症が疑われるときは
- 問診・診察で症状のタイプや重さを評価する
- 必要に応じて画像検査(レントゲン・CT・MRIなど)で関節・骨・筋肉の状態を確認する
- 主に生活指導・セルフケア・マウスピースなどの「保存的治療(手術しない治療)」を行う
という流れで診断・治療が行われます。
多くの方は、薬や手術ではなく、セルフケアと生活習慣の改善、マウスピースや理学療法などの組み合わせで症状の軽減が期待できます。
⚫︎顎骨腫瘍の診断
1)問診・診察
- どのくらい前から、どんな時に痛むか
- 口がどの程度開くか(指の本数など)
- 音がするタイミング(開ける時・閉じる時・左右に動かした時)
- 歯ぎしりや食いしばりの有無、ストレスの状況
などを詳しくお聞きします。
口を開け閉めしてもらいながら、開き方の癖や、顎関節・筋肉の圧痛(押して痛い場所)を確認します。
2)画像検査
レントゲン(X線)
顎の骨の形や関節の状態を大まかに確認します。
CT
顎の骨を立体的に見ることができ、骨の変形や関節面の状態を詳しく評価できます。
MRI
関節円板の位置や動きを評価するときに用います。口を開けた時・閉じた時の両方を撮影し、円板のずれや関節内の炎症を確認します。
3)他の病気との鑑別
ごの痛みや開口障害は、親知らずの炎症、顎関節以外の関節炎(リウマチなど)、腫瘍などでも起こることがあります。そのため、必要に応じて血液検査や他科受診を行い、「顎関節症なのか、他の病気なのか」を見極めます。
⚫︎顎骨腫瘍の治療
A. 初期対応(まずやること/基本方針)
あごを休める
硬い物・大きな物を無理に噛まない(フランスパン・スルメ・氷・大きなおにぎりなど)。頬杖をつく、うつ伏せで寝る、片側だけで噛むなどの癖を控えます。
痛みが強い時期のセルフケア
あご周囲を温める(蒸しタオルなど)、軽いマッサージやストレッチを行うことで、筋肉のこわばりが和らぐことがあります。
B. 保存的治療(基本となる治療)
スプリント療法(マウスピース)
就寝時などに透明のマウスピース(ナイトガード)を装着し、歯ぎしり・食いしばりから顎関節や筋肉を守ります。噛み合わせのバランスを整え、筋肉の緊張を和らげる目的で使用されます。
理学療法・リハビリ
あご周囲の筋肉をほぐすマッサージ、あごをスムーズに動かすための開口訓練(口を決まった方向に少しずつ開ける練習)などが行われます。
C. その他の治療
関節内注射
関節内洗浄(関節腔洗浄)やヒアルロン酸注射などが行われることがあります。
手術的治療
関節鏡手術や開放手術などは、ごく一部の重症例(保存的治療で改善せず、強い痛みや高度の開口障害が続く場合)に限って検討されます。一般的な顎関節症では、多くの場合ここまで必要になることはありません。
⚫︎顎骨腫瘍の予後
顎関節症は
- 適切なセルフケアと生活習慣の見直し
- 歯科での保存的治療(マウスピース・リハビリなど)
によって、多くの方で症状の改善やコントロールが期待できます。
一方で、ストレスや生活習慣の影響を受けやすく
- 良くなったり悪くなったりを繰り返す
- 症状が軽くなっても、完全に「ゼロ」にはならない
といった経過をたどることもあります。痛みや開きにくさを「完全に消す」ことだけを目標にするのではなく、「日常生活に支障がない程度までうまく付き合う」ことも大切な考え方です。
⚫︎顎骨腫瘍の予防
顎関節症を完全に防ぐことは難しいですが、次のような工夫でリスクを減らすことができます。
日常生活でできること
- 片側だけで噛む癖をやめ、左右バランスよく噛む
- 長時間のうつ伏せ寝、頬杖をできるだけ避ける
- ガムや硬いお菓子を長時間噛み続けない
- スマホやPC使用時は、頭が前に出すぎないよう姿勢に注意する
歯やかみ合わせのケア
- むし歯や欠けた歯、合わない詰め物・被せ物があれば、早めに治療してもら
- 入れ歯の高さやフィット感が合わない場合は、歯科で調整を受ける
⚫︎顎骨腫瘍に関連する病気や合併症
頭痛・肩こり・首の痛み
顎周囲の筋肉の緊張が続くことで、頭痛や肩こりとして症状が出ることがあります。
耳の症状
耳の前にある関節のトラブルが、耳のつまり感や耳鳴りとして感じられることがあります。ただし、耳の病気との鑑別も必要です。
顎関節の変形・変性
長期的な負担により、顎関節の骨が変形したり、関節症(変形性関節症)として進行することがあります。
精神的な不安・睡眠の質の低下
痛みや違和感が続くことで、不安やイライラ、睡眠の質の低下につながる場合もあります。
これらの症状が強い場合は、必要に応じて整形外科・耳鼻咽喉科・心療内科などと連携した治療が検討されます。
⚫︎まとめ
顎骨腫瘍は、あごの関節や周囲の筋肉に負担がかかり、「痛み」「開きにくさ」「関節の音」などが出る病気です。原因は1つではなく、歯ぎしり・食いしばり、ストレス、姿勢の悪さなど、複数の要因が重なっていることが多いです。
多くの場合、セルフケアと生活習慣の見直し、マウスピースやリハビリなどの保存的治療で症状の改善が期待できます。あごの違和感が続くときは、早めに歯科・歯科口腔外科で相談し、「うまく付き合っていく」ための方法を一緒に考えていきましょう。
症状が気になる場合や、体調に異変を感じたら自分で判断せず、医療機関に相談するようにしましょう。
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■ 参考・出典
- 一般社団法人 日本顎関節学会「顎関節症治療の指針 2020」
(https://kokuhoken.net/jstmj/publication/file/guideline/guideline_treatment_tmj_2020.pdf) - MSDマニュアル プロフェッショナル版「顎関節疾患(TMD)の概要」
(https://www.msdmanuals.com/ja-jp/professional/15-)
■ この記事を監修した医師
岩野 圭佑医師 西梅田シティクリニック
大阪大学 医学部 卒
東京大学教養学部イギリス科卒業後、株式会社DeNAで新卒採用業務、Terramotors株式会社で営業・広報・採用業務に従事。
大阪大学医学部医学科に学士編入し卒業後、兵庫県立西宮病院で初期研修を修了。
大阪市立総合医療センター、大阪大学医学部附属病院にて耳鼻咽喉科・頭頸部外科医として研修した後、大手美容内科に転職し院長として勤務。
令和7年1月、兵庫県芦屋市に『芦屋駅前皮フ科ビューティクリニック』を開設。
患者様を第一に考え、一般皮膚科・美容皮膚科のクリニックを経営するとともに、大手美容内科の院長として長年の経験を蓄積。耳鼻咽喉科・頭頸部外科医時代には悪性腫瘍の手術や病棟管理を数多く担当し、現在も非常勤で救命救急科医師として医療現場で勤務。
医療機関の開業支援やM&A仲介、人材紹介といった医療ビジネスにも積極的に取り組み、医療の質とアクセス向上を目指している。
- 公開日:2026/03/31
- 更新日:2026/03/31
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