IgA血管炎(Schönlein-Henoch紫斑病)あいじーえーけっかんえん(しぇーんらいん・へのっほく しはんびょう)

IgA血管炎は、IgAという抗体が血管壁に沈着して炎症を起こす病気です。紫斑・関節痛・腹痛が特徴で、多くは自然に改善しますが腎障害の有無を長期フォローします。小児に多いものの成人でも発症します。

⚫︎IgA血管炎(Schönlein-Henoch紫斑病)とは?

全身の細い血管にIgAが関わる炎症が起こる病気で、皮膚・関節・消化管・腎臓に症状が出ます。最も目立つのは下肢や臀部の紫斑で、関節痛や腹痛、血尿/蛋白尿を伴うことがあります。小児に多い一方、成人では腎障害が問題となることがあります。

⚫︎IgA血管炎(Schönlein-Henoch紫斑病)の原因

上気道感染などをきっかけに、IgAを含む免疫複合体が血管に沈着し炎症を起こすと
考えられています。特定の誘因(感染、薬剤、食物アレルギーなど)が関与することが
ありますが、多くは明確に特定できません。

⚫︎IgA血管炎(Schönlein-Henoch紫斑病)の症状は?

IgA血管炎は、小さな血管に炎症が起こることで、皮膚・関節・腸・腎臓に症状が現れる病気です。

典型的には

足やおしりを中心に**押しても消えない赤紫色の点状出血(紫斑)**が出ます。さらに、腹痛・下痢・血便など消化器症状が続いたり、膝や足首の痛み・腫れが出ることがあります。腎臓に炎症が及ぶと、尿に血が混じる・泡立つといった症状が現れることもあります。
症状が続くと、立ちくらみや息切れ、だるさなど貧血に似た体調不良が出ることがあり、特に子どもや高齢の方、持病のある方では症状が強く出やすいため注意が必要です。

⚫︎受診の目安

  • 皮膚に赤紫色の点状出血(紫斑)が繰り返し出る
  • 腹痛、血便、黒っぽい便など消化器症状が続く
  • 関節の痛みや腫れがあり歩きにくい
  • 尿の色が赤い、茶色い、泡立つなど腎臓の異常が疑われる
  • 発熱、だるさ、息切れなど体調不良が続く

→ こうした症状がある場合は、早めに内科・小児科・腎臓内科などを受診し、血液検査・尿検査や必要に応じて超音波検査を受けましょう。早期の評価と適切な治療が、腎障害の進行予防や再発リスクの軽減につながります。

⚫︎診断方法と治療方法(全体像)

診断は、問診・診察に加え、血液検査(白血球分画での異型リンパ球増加、肝機能の軽度上昇など)とウイルス抗体検査(EBV抗体)を組み合わせて行います。必要に応じてCMV抗体などで類似疾患を鑑別します。

治療は基本的に対症療法(症状をやわらげる治療)で、十分な休養・水分・栄養と解熱鎮痛薬が中心です。抗菌薬は細菌感染が疑われる場合のみ使用します。アミノペニシリン系は
発疹が出やすいため、EBウイルスが疑われる時期は原則避けます。

ステロイドは重度の扁桃腫大による気道狭窄、重い溶血性貧血・血小板減少などの合併症があるときに限って短期間用います。通常、抗ウイルス薬は不要です。

⚫︎IgA血管炎(Schönlein-Henoch紫斑病)の診断

1)身体診察:押しても消えない紫斑の分布、関節腫脹、腹部圧痛を確認します。

2)検査:尿検査(血尿・蛋白尿)、採血(炎症所見、腎機能)。便潜血・超音波で腸重積の有無を確認することがあります。

3)病理:確定が必要な場合、皮膚生検で血管壁のIgA沈着を確認します。腎症が強い場合は腎生検で重症度を評価します。

⚫︎IgA血管炎(Schönlein-Henoch紫斑病)の治療

A. 初期対応(まずやること/基本方針)

  • 安静・水分・栄養:脱水を避け、痛みを抑えながら日常動作を調整します。
  • 鎮痛:アセトアミノフェンを基本に。NSAIDs使用は医師に確認します。
  • 消化器症状:嘔吐・出血が強いときは入院で点滴管理・画像評価を行います。

B. 症状に応じた薬物療法

  • 関節痛や強い腹痛にステロイドの短期投与が有効なことがあります
    (病勢を変える目的ではなく症状緩和が中心)
  • 進行する腎炎には高用量ステロイド+免疫抑制薬など専門的治療を検討します。

C. 回復期と再発予防

  • 多くは自然軽快しますが、3〜6か月は尿所見を定期確認します。活動・運動は腹痛や紫斑が落ち着いてから再開し、強い腹痛・下血の再燃に注意します。

⚫︎IgA血管炎(Schönlein-Henoch紫斑病)の予後

小児では数週間~1か月で自然軽快することが多い一方、約3割で再発します。腎障害がある群では長期管理が必要で、とくに成人発症や重症腎炎は慢性化リスクが
上がります。早期からの尿検査フォローが将来の腎機能保護につながります。

⚫︎IgA血管炎(Schönlein-Henoch紫斑病)の予防

完璧に防ぐ方法はありませんが、再発や悪化のリスクは下げられます。

  • 手洗い・うがい、共有物(コップ・食器・歯ブラシ)を避け、上気道感染の流行期は無理をしない。
  • 体調不良時は休養と水分補給を優先。発熱時の激しい運動は控える。
  • 回復期の運動再開は段階的に。腹痛や紫斑が落ち着き、主治医の許可を得てから。
  • 薬剤が誘因と疑われた場合は再使用を避け、受診時に必ず申告する。

⚫︎IgA血管炎(Schönlein-Henoch紫斑病)に関連する病気や合併症

  • 腎症:血尿・蛋白尿からネフローゼ、まれに腎機能低下。長期の尿検査フォローが重要。
  • 消化管:腸管出血、腸重積、まれに穿孔。持続する腹痛・嘔吐・黒色便は要受診。
  • 皮膚・関節:壊死性の紫斑や皮膚潰瘍、膝・足首の関節痛/腫脹。
  • その他:精巣炎(陰嚢痛)、まれに肺出血・中枢神経症状。
  • 鑑別:ITP(血小板減少性紫斑病)、HUS、ANCA関連血管炎、IgA腎症など。

⚫︎まとめ

IgA血管炎(Schönlein-Henoch紫斑病)は、血管に炎症が起こることで、足やおしりに赤紫色の点状出血(紫斑)が現れ、腹痛・関節痛・血尿などが続く病気です。多くは自然に改善しますが、腎臓に炎症が及ぶと長期的な経過観察が必要になることがあります。
特に紫斑が繰り返し出る、強い腹痛や血便が続く、尿の色が赤い・茶色いといった症状がある場合は、早めに内科や小児科で検査を受けることが大切です。不安な症状があるときは一人で抱え込まず、医師と相談しながら、自分の体に合った治療や経過観察の方法を一緒に考えていきましょう。

 

症状が気になる場合や、体調に異変を感じたら自分で判断せず、医療機関に相談するようにしましょう。

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■ 参考・出典

■ この記事を監修した医師

赤松 敬之医師 西梅田シティクリニック

近畿大学 医学部 卒

近畿大学医学部卒業。
済生会茨木病院にて内科・外科全般を担当。
その後、三木山陽病院にて消化器内科・糖尿病内科を中心に、内視鏡を含む内科全般にわたり研鑽を積む。
令和2年9月、大阪梅田に『西梅田シティクリニック』を開院。

「患者様ファースト」に徹底した医療マインドを持ち、内科診療にとどまらず健診センターや複数のクリニックを運営。 医療の敷居を下げ、忙しい方々にも医療アクセスを向上させることを使命とし、さまざまなプロジェクトに取り組む。 医院経営や医療関連のビジネスにも携わりつつ、医療現場に立ち続ける。
さらに、医師として医薬品の開発や海外での医療支援にも従事している。

  • 公開日:2026/02/20
  • 更新日:2026/02/24

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