慢性腎炎まんせいじんえん

慢性腎炎は、腎臓の糸球体に慢性的な炎症が続くことで、徐々に腎機能が低下していく病気です。血尿や蛋白尿、むくみなどが見られ、放置すると慢性腎不全に進行することがあります。早期診断と生活習慣の改善、適切な治療が重要です。

慢性腎炎

慢性腎炎とは?

慢性腎炎とは、腎臓の糸球体と呼ばれる血液をろ過する構造に慢性的な炎症が起こり、長期的に腎機能が低下していく疾患群の総称です。糸球体に炎症や損傷が生じることで、血尿や蛋白尿が現れ、進行すると腎不全に至ることもあります。

慢性糸球体腎炎(CGN: Chronic Glomerulonephritis)とも呼ばれ、急性腎炎との違いは、症状が徐々に現れ、慢性的に経過する点にあります。代表的な病型として、IgA腎症、膜性腎症、巣状分節性糸球体硬化症(FSGS)などがあります。

進行性の疾患でありながら、初期には自覚症状が乏しいことが多く、健康診断での尿検査異常から見つかることも少なくありません。

原因

慢性腎炎の原因は多様であり、一次性(腎臓そのものの病気)と二次性(他の全身性疾患に伴うもの)に分けられます。免疫異常が関与するケースが多く、原因の特定には腎生検(腎臓の組織検査)が必要となることがあります。

一次性(原発性)糸球体腎炎

  • IgA腎症:日本で最も頻度が高く、扁桃炎などを契機に発症
  • 膜性腎症:中高年に多く、蛋白尿が主体
  • 巣状分節性糸球体硬化症(FSGS):若年者にも発症しやすく、進行が速いこともある
  • 膜性増殖性糸球体腎炎(MPGN)

二次性糸球体腎炎

  • 全身性エリテマトーデス(SLE)
  • 糖尿病性腎症
  • 感染症(B型肝炎、C型肝炎、HIVなど)
  • 悪性腫瘍や自己免疫疾患に伴う二次性腎炎

生活習慣や遺伝、免疫異常が関与することも多く、複数の因子が重なって発症に至ると考えられています。

症状

慢性腎炎の症状は、病気の進行度や原因疾患によって異なります。初期はほとんど無症状のことが多く、進行することでさまざまな全身症状が現れます。

初期症状

  • 血尿:赤褐色またはコーラ色の尿
  • 蛋白尿:尿が泡立つ、尿検査で発見されることが多い
  • むくみ:特に顔や足に現れる

進行期の症状

  • 高血圧:腎臓での塩分排泄障害による
  • 倦怠感、疲れやすさ
  • 息切れ:貧血や体液過剰による
  • 体重増加(浮腫による)
  • 夜間頻尿

末期腎不全

  • 食欲不振、吐き気
  • 皮膚のかゆみ、意識障害
  • 尿量の減少または無尿

尿の異常とともに、全身の症状が現れ始めた段階で発見されることもあります。

診断方法と治療方法

診断

診断は、症状の確認とともに、血液・尿検査が中心となります。

  • 尿検査
    -血尿、蛋白尿、尿沈渣(赤血球円柱など)の確認
  • 血液検査
    -クレアチニン、eGFR(腎機能)、アルブミン、電解質
    -免疫学的検査(IgA、抗核抗体、補体など)
  • 超音波検査
    -腎臓の大きさや形状、腎血流の評価
  • 腎生検
    -腎臓の組織を採取し、顕微鏡で診断を確定

治療

  • 生活指導:減塩、たんぱく制限、水分管理
  • 降圧薬の使用:ACE阻害薬やARBが中心(蛋白尿の抑制にも有効)
  • 免疫抑制療法:ステロイド薬、免疫抑制剤(必要に応じて)
  • 利尿薬:むくみの改善
  • 高脂血症、貧血、骨ミネラル異常などの合併症に対する支持療法

病型や進行度によって治療法が異なるため、専門医による管理が求められます。

予後

慢性腎炎の予後は、原因疾患の種類や早期発見・治療介入の有無によって大きく左右されます。進行性であっても、適切な治療によって腎機能の悪化を抑えることが可能です。

予後が良好なケース

  • IgA腎症や膜性腎症などで、早期に治療を開始した場合
  • 降圧治療や食事療法が効果を発揮し、蛋白尿が減少している
  • 腎機能が安定し、合併症が抑えられている

進行しやすいケース

  • 治療に抵抗性のあるFSGSやMPGN
  • 二次性腎炎で基礎疾患が難治性(SLE、糖尿病など)
  • 高血圧や高脂血症、喫煙などの生活習慣が改善されない

進行すると透析療法や腎移植が必要となるため、継続的な管理が重要です。

予防

慢性腎炎の明確な発症予防は難しいですが、リスク因子の管理や早期発見によって進行を抑えることが可能です。

一次予防

  • 定期的な健康診断:特に尿検査での異常の早期発見
  • 減塩、適正体重の維持
  • 禁煙とアルコールの節度ある摂取
  • 感染症(溶連菌、肝炎ウイルスなど)の早期治療
  • 生活習慣病(糖尿病、高血圧)の管理

二次予防(進行予防)

  • 蛋白尿、高血圧、高脂血症の厳格なコントロール
  • 医師の指導のもと、継続的な治療と通院
  • 薬剤の副作用や腎毒性に注意(NSAIDsなど)

生活習慣の改善と早期対応が進行抑制の鍵となります。

関連する病気や合併症

関連する主な疾患

  • 慢性腎臓病(CKD)
  • ネフローゼ症候群(重度の蛋白尿を伴うことがある)
  • 高血圧、心肥大、動脈硬化
  • 脳血管疾患(脳出血、脳梗塞)
  • 貧血(腎性貧血)
  • 骨ミネラル代謝異常(腎性骨症)
  • 感染症:尿路感染、肺炎など
  • 透析関連疾患(末期進行時)

早期の介入により、これらの合併症を防ぎ、生活の質を保つことが可能です。

症状が気になる場合や、体調に異変を感じたら自分で判断せず、医療機関に相談するようにしましょう。

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■ 参考・出典

■ この記事を監修した医師

住谷 昴一医師

  • 公開日:2025/07/16
  • 更新日:2026/02/19

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