口内炎こうないえん

口内炎は、ほおの内側やくちびる、舌などの粘膜に起こる炎症の総称です。多くはストレスや疲れ、ビタミン不足、軽い傷などがきっかけで、1〜2週間ほどで自然に治りますが、長引く・何度も繰り返す・形がいびつで硬い場合は、他の病気が隠れていることもあり受診が大切です。

⚫︎口内炎とは?

口内炎は、口の中やくちびる・舌・歯ぐきなどの粘膜に起こる炎症の総称です。赤くただれたり、白っぽい丸い「アフタ」と呼ばれる浅い潰瘍(かいよう:表面がえぐれた状態)ができたり、水ぶくれができることもあります。
代表的なのは「アフタ性口内炎」で、直径数ミリの白〜黄白色の丸い傷が1〜数個でき、しみるような痛みを伴います。歯で噛んだり、歯ブラシでこすれた小さな傷に、免疫力の低下やビタミン不足などが重なって起こると考えられています。

そのほか、ウイルス(ヘルペスなど)やカンジダ(カビの一種)、薬・金属アレルギー、全身の病気(ベーチェット病・自己免疫疾患・血液疾患など)が原因になる口内炎もあります。

⚫︎口内炎の原因

口内炎の原因はいくつかのタイプに分けられます。

物理的な刺激や傷

頬の内側や舌を噛んだ、合わない入れ歯や尖った歯・詰め物・矯正器具がこすれる、熱い食べ物でやけどした、などの傷から炎症が起こることがあります。

免疫力の低下・ストレス・生活習慣

疲れ・睡眠不足・精神的ストレス・栄養バランスの乱れ(ビタミンB2・B6などの不足)・喫煙・口の中の不衛生などが重なると、アフタ性口内炎ができやすくなります。

感染症

ヘルペスウイルス・手足口病などのウイルスや、カンジダというカビの一種が原因となることがあります。特にヘルペス性歯肉口内炎では、発熱とともに口の中全体が強くただれ、食事や会話が難しくなることがあります。

アレルギー・薬の副作用

薬(解熱鎮痛薬など)や歯科金属・食品などに対するアレルギー反応として口内炎が出ることがあります。また、抗がん剤・放射線治療・一部の免疫抑制薬の副作用として、口内炎(口腔粘膜炎)が起こることも知られています。

⚫︎口内炎の症状は?

典型的には、次のような症状がみられます。

  • ほおの内側・舌・くちびる・歯ぐきなどにできる、白〜黄白色の丸い傷(アフタ)
  • その周りが赤くなり、しみる・ズキズキする痛みがある
  • 食事(特に酸味・辛味・熱いもの)や歯みがきで強くしみる
  • 複数できると、しゃべりにくい・食べるのがつらい

ヘルペス性や重症の口内炎では、発熱・だるさ・口臭・リンパ節の腫れ(あごの下など)を伴うこともあります。

注意ポイント

  • ふつうのアフタ性口内炎は1〜2週間ほどで小さくなり、自然に治ります。
  • 3週間以上たっても治らない・むしろ大きくなってくる・触ると周囲が硬い、痛みが少ない、といった場合は、舌がんなど腫瘍の可能性もあり、早めの受診が必要です。

⚫︎受診の目安

  • 1〜2週間たってもよくならない、または悪化している口内炎
  • 同じ場所に何度も繰り返しできる、数が多い、範囲が広い
  • 発熱・強いだるさ・食べられない・飲めないなど、全身状態が悪い
  • 触ると周りが硬い・だんだん大きくなる・痛みが少ない「できもの」
  • 抗がん剤や放射線治療中で、口内炎がつらく日常生活に支障がある

このような場合は、早めに歯科・口腔外科、耳鼻咽喉科、内科などで相談してください。どの科に行けばよいか迷うときは、まず内科やかかりつけ医に相談してもよいでしょう。

⚫︎診断方法と治療方法(全体像)

診断は、口の中の状態を目で見て確認することが中心です。どこに・どのような形の傷が・どのくらいの期間続いているか、数や大きさ、痛みの程度、発熱など全身症状の有無を総合的に判断します。
多くの単純なアフタ性口内炎は、見た目の特徴から診断でき、特別な検査が不要なことがほとんどです。一方、広い範囲にただれがある、何度も再発する、がんが心配な所見がある場合には、血液検査や、必要に応じて組織を一部とって調べる検査(生検)を行うこともあります。
治療の基本は、口の中を清潔に保ちながら、痛みや炎症を和らげて自然な治癒を助ける「対症療法」です。重症例や、背景にある病気がはっきりしている場合には、その原因に対する治療もあわせて行います。

⚫︎口内炎の診断

1)問診・診察

いつから・どこに・どのような口内炎ができたか、何度も繰り返していないか、発熱やだるさ、他の部位の症状(皮疹・関節痛・目の症状・腹痛など)の有無を確認します。服用中の薬や、抗がん剤・放射線治療の有無も重要な情報です。

2)視診(口の中をよく見る)

アフタ(白い円形の潰瘍)が典型的か、びらん(浅い傷)が広がっているか、水ぶくれがあるか、粘膜が白くこびりついているか(カンジダの可能性)などを確認します。舌やほほの粘膜に、硬さを伴うしこりや境界のはっきりしない潰瘍がないかもチェックします。

3)必要に応じて行う検査

繰り返す・治りにくい・全身症状を伴う場合には、血液検査で炎症反応・栄養状態・自己抗体などを調べたり、ウイルスやカンジダ感染を疑えば培養検査や抗体検査を行うことがあります。がんが疑われる病変では、生検による確定診断が重要です。

⚫︎口内炎の治療

A. 初期対応(まずやること/基本方針)

  • 口腔ケア:やさしく歯みがきを行い、うがい薬などで口の中を清潔に保ちます。しみる場合は、刺激の少ない歯磨き剤や子ども用ブラシに替えるとよいことがあります。
  • 刺激物を避ける:辛いもの・酸っぱいもの・熱い飲食物・アルコール・喫煙は痛みを悪化させるため控えます。
  • 栄養・休養:ビタミンB群を意識したバランスの良い食事と、十分な睡眠・休養で、免疫力を整えることが治りを助けます。

B. 医療機関で行う主な治療

  • 外用薬:ステロイド軟膏・貼り薬、鎮痛成分を含む口腔内用軟膏・うがい薬などで、炎症と痛みを和らげます。正しく使えば、治りが早くなることが期待できます。
  • 内服薬:痛みがつらい場合の鎮痛薬、ビタミン剤、必要に応じて胃腸薬などが処方されることがあります。
  • 原因別の治療:ヘルペス性歯肉口内炎には抗ウイルス薬、カンジダ性口内炎には抗真菌薬、アレルギー性口内炎では原因薬剤や金属の中止など、原因に応じた治療を行います。

重症で水分もとれないような場合や、全身状態が悪い場合には、入院して点滴などの全身管理が必要になることもあります。

C. 回復期の管理と再発予防

  • 痛みが軽くなっても、すぐに刺激の強い食事や飲酒に戻さず、少しずつ普段の生活に戻していきます。
  • 繰り返すタイプの方は、ストレス対策・睡眠の見直し・禁煙・口腔ケアなど、生活習慣を整えることが大切です。

⚫︎口内炎の予後

  • 多くのアフタ性口内炎は良性で、1〜2週間ほどで自然に治ります。適切な外用薬や口腔ケアを行うことで、痛みの期間を短くできることもあります。
  • 一方で、ヘルペス性歯肉口内炎やがん治療に伴う口腔粘膜炎などは、痛みや飲食困難が強く、入院や点滴が必要になることもありますが、多くは適切な治療で改善が見込めます。
  • 3週間以上治らない・だんだん大きくなる・硬いしこりを伴うような病変は、口腔がんの可能性もあるため、「様子を見すぎない」ことが重要です。

⚫︎口内炎の予防

完璧に防ぐことは難しいですが、次の工夫で口内炎ができにくくなったり、再発を減らしたりできる可能性があります。

規則正しい生活とストレスケア

十分な睡眠と休養、適度な運動、ストレス発散を心がけ、免疫力の低下を防ぎます。

口腔内を清潔に保つ

毎日の歯みがき・デンタルフロスやうがいで、口の中を清潔に保ちます。歯科での定期的なクリーニングも有効です。

食生活の見直し

ビタミンB群・鉄分などを含む食品を意識し、偏った食事や過度な飲酒を控えます。

タバコを控える

喫煙は口内の血流や免疫を低下させ、口内炎や歯周病、口腔がんのリスクを高めます。禁煙は予防に大きく役立ちます。

⚫︎口内炎に関連する病気や合併症

口内炎そのものは良性のことが多いですが、次のような病気と関連している場合があります。

  • ベーチェット病・潰瘍性大腸炎・クローン病などの自己免疫疾患/炎症性腸疾患
  • 血液の病気(白血病・再生不良性貧血など)
  • HIV感染症などの免疫不全状態
  • がん化学療法・放射線治療に伴う口腔粘膜炎
  • 糖尿病・栄養障害など、免疫力に影響する病気

また、治りにくい口内炎や潰瘍の中には、口腔がん(舌がん・頬粘膜がんなど)が紛れていることがあり、早期発見が重要です。

⚫︎まとめ

口内炎は、機械的刺激や免疫力の低下、ビタミン欠乏など多岐にわたる要因で発生します。一般的なアフタ性口内炎は短期間で治癒しますが、難治性のものや硬結(しこり)を伴うものは、口腔がんや全身疾患の初発症状である可能性も否定できません。

症状が遷延(せんえん)する場合や再発を繰り返す場合は、速やかに医療機関を受診し、適切な診断を受けることが肝要です。
日頃から適切な口腔清掃(オーラルケア)を維持し、栄養バランスや睡眠などの生活習慣を整えることが、予防の第一歩となります。専門医との連携を通じて、口腔内の健康から全身のQOL(生活の質)向上を目指しましょう。

症状が気になる場合や、体調に異変を感じたら自分で判断せず、医療機関に相談するようにしましょう。

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■ 参考・出典

■ この記事を監修した医師

岩野 圭佑医師 西梅田シティクリニック

大阪大学 医学部 卒

東京大学教養学部イギリス科卒業後、株式会社DeNAで新卒採用業務、Terramotors株式会社で営業・広報・採用業務に従事。
大阪大学医学部医学科に学士編入し卒業後、兵庫県立西宮病院で初期研修を修了。
大阪市立総合医療センター、大阪大学医学部附属病院にて耳鼻咽喉科・頭頸部外科医として研修した後、大手美容内科に転職し院長として勤務。
令和7年1月、兵庫県芦屋市に『芦屋駅前皮フ科ビューティクリニック』を開設。

患者様を第一に考え、一般皮膚科・美容皮膚科のクリニックを経営するとともに、大手美容内科の院長として長年の経験を蓄積。耳鼻咽喉科・頭頸部外科医時代には悪性腫瘍の手術や病棟管理を数多く担当し、現在も非常勤で救命救急科医師として医療現場で勤務。
医療機関の開業支援やM&A仲介、人材紹介といった医療ビジネスにも積極的に取り組み、医療の質とアクセス向上を目指している。

  • 公開日:2026/03/31
  • 更新日:2026/03/31

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