じんま疹じんましん
じんま疹は、皮膚が赤く盛り上がり強いかゆみを伴う「みみず腫れ」が突然出て、数時間以内に消える病気です。多くは数日で治まりますが、6週間以上続く「慢性じんま疹」もあり、原因が特定できないことも少なくありません。抗ヒスタミン薬を中心に治療します。
目次
⚫︎じんま疹とは?
じんま疹は、皮膚の一部が赤くぷっくりと盛り上がり(膨疹)、強いかゆみを伴って現れ、数時間以内に跡を残さず消えるのが特徴の皮膚の病気です。
同じ場所にとどまるというより、「出たり消えたりを繰り返す」ことが多く、いわゆる「みみず腫れ」のように見えることもあります。
症状が出始めてから6週間未満のものを「急性じんま疹」、6週間以上ほぼ毎日のように続くものを「慢性じんま疹」と呼びます。
⚫︎じんま疹の原因
原因としては次のようなものがありますが、慢性じんま疹では「はっきりした原因がわからない(特発性)」ことが多く、7割前後が原因不明とされています。
アレルギーが関係するもの
食べ物(卵・エビ・カニ・ソバなど)、薬、昆虫毒などに対する「即時型アレルギー反応」で起こるタイプです。
アレルギー以外の刺激
発熱などの感染症、疲れ・ストレス、冷気・温熱・日光・圧迫・運動・発汗など、さまざまな刺激でじんま疹が出ることがあります。
直接マスト細胞を刺激する薬
解熱鎮痛薬(NSAIDs)や一部の抗生物質などは、アレルギーではなく直接マスト細胞を刺激してじんま疹を起こすことがあります。
⚫︎じんま疹の症状は?
食べてから出るまでの時間や症状の組み合わせはさまざまですが、多くは2時間以内に出現します。
みみず腫れのような膨らみ
突然、数ミリ〜数センチほどの赤い膨らみ(膨疹)が現れ、強いかゆみを伴います。丸いもの、地図のように広がるもの、線状のものなど形はさまざまです。
出たり消えたりする
1つ1つの膨疹は数時間以内に消え、あとを残さないのが特徴です。前日の写真では全身にあったのに、受診時には別の場所に少しだけ出ている、ということもよくあります。
血管性浮腫
まぶた、くちびる、手足、陰部などが数時間〜数日かけて大きくむくむように腫れることがあり、「血管性浮腫」と呼ばれます。多くは自然に引きますが、のどの奥が腫れると息苦しさの原因になることがあります。
全身症状
強いじんま疹とともに、息苦しさ、腹痛、吐き気、ぐったりする、意識がもうろうとするなどがある場合は、アナフィラキシーの可能性もあり、緊急対応が必要です。
⚫︎受診の目安
次のような場合は、医療機関の受診をおすすめします。
- じんま疹が数日以上続く、くり返し出てくる
- かゆみがつらく、眠れない・仕事や勉強に集中できない
- 顔やまぶた、くちびる、手足のむくみが強い
- 市販薬や自己判断の対応では良くならない
とくに以下の症状があれば、救急受診を含めて早めの対応が必要です。
- 息苦しさ、ゼーゼー、声がかすれる
- ぐったりして反応が悪い、めまい・ふらつきが強い
- 激しい腹痛や嘔吐を伴う
→ これらはアナフィラキシーや重いアレルギー反応のサインとなることがあります。
⚫︎診断方法と治療方法(全体像)
診断は、膨疹の見た目・出方・続く時間(24時間以内に消えるかどうか)と、症状の経過から行うのが基本です。多くは問診と診察だけで診断でき、特別な検査がいらないことも少なくありません。
治療は、第2世代抗ヒスタミン薬(眠気が少ないタイプ)を中心に行い、症状の強さに応じて量を増やしたり、薬を追加したりします。急激に強い症状が出た場合や、抗ヒスタミン薬だけでおさまらない場合には、短期間のステロイド薬や、生物学的製剤(注射薬)などを使うこともあります。
⚫︎じんま疹の診断
1)問診・診察
- いつから、どのような膨疹が、どのくらいの時間出て消えるか
- 食べ物、薬、感染症、ストレス、運動、温度変化などとの関係
- 呼吸苦や腹痛、ぐったり感といった全身症状の有無
などを詳しくうかがい、皮膚の状態を確認します。
2)血液検査など(必要に応じて)
長引くじんま疹や全身症状を伴う場合には、感染症・自己免疫疾患・甲状腺の病気など、背景の病気を調べるために血液検査を行うことがあります。ただし、原因となる「アレルゲン」を特定できることは多くなく、検査だけで原因がすべてわかるわけではありません。
3)原因検索
明らかな原因(特定の食べ物・薬・物理的刺激など)が疑われる場合は、問診や必要な検査を通じて、生活上避けるべきものを整理していきます。
⚫︎じんま疹の治療
A. 初期対応(まずやること/基本方針)
- かゆみや膨疹が強いときは、冷やす・こすらないなどで悪化を防ぎつつ、早めに抗ヒスタミン薬の内服を行います。
- 明らかに症状のきっかけになった食べ物や薬、強い圧迫・発汗・入浴直後などがあれば、しばらく避けます。
B. 薬物療法(医療機関で行う治療)
第2世代抗ヒスタミン薬
眠気が比較的少ないタイプを基本とし、症状に応じて量を増やしたり、複数の薬を組み合わせたりします。
ステロイド薬
急性に症状が非常に強い場合や、全身状態が悪い場合に、短期間だけ内服・点滴を行うことがあります(長期連用は原則避けます)。
生物学的製剤など
慢性じんま疹で抗ヒスタミン薬だけでは十分にコントロールできない場合、専門医のもとで分子標的薬(生物学的製剤)の注射を使う選択肢もあります。
C. 生活上の工夫
- 衣類のこすれや締めつけ、急激な温度変化、過度のストレスや寝不足など、悪化要因があればできる範囲で避けます。
- 慢性じんま疹の場合は、症状が落ち着いてもすぐに薬をやめず、医師と相談しながら少しずつ減量していきます。
⚫︎じんま疹の予後
急性じんま疹
多くは数日〜1週間ほどで自然に治まります。原因となる食べ物や薬・感染症がはっきりしていれば、それを避けることで再発を防ぎやすくなります。
慢性じんま疹
6週間以上続く場合でも、数ヶ月〜数年のうちに自然に軽快していく例が多いとされています。一方で、長期間続く方もおり、上手に薬を使いながら「症状をコントロールする」ことが治療の目標となります。
⚫︎じんま疹の予防
じんま疹を完全に防ぐことは難しいですが、次のような工夫で悪化を抑えられることがあります。
- 原因・悪化要因がはっきりしている場合は、それを避ける(特定の薬・食べ物・発汗直後の激しい運動など)
- 過度なストレスや睡眠不足をため込みすぎない
- きつい衣類やベルトで長時間圧迫しない、急激な温度変化を避ける
- 市販薬で対応できないときは、早めに専門医に相談し、自己判断で薬を中断しない
⚫︎じんま疹に関連する病気や合併症
アナフィラキシー
じんま疹と同時に、息苦しさ・腹痛・嘔吐・血圧低下・意識障害などが起こる全身の重いアレルギー反応です。食物アレルギーや薬物アレルギーなどが原因になります。
血管性浮腫
まぶたやくちびる、手足などの深い部分が強く腫れるタイプで、ときにのどの奥が腫れて呼吸困難を起こすことがあります。じんま疹と一緒に見られることもあれば、単独で起こることもあります。
基礎疾患との関連
慢性じんま疹の一部では、自己免疫疾患や甲状腺の病気などが背景にあることがあり、必要に応じて血液検査で確認します。
⚫︎まとめ
じんま疹は、真皮上層の血管透過性亢進による一過性の膨疹(ぼうしん)を主症状とする疾患です。発症から6週間以内の「急性」と、それ以上の期間持続する「慢性」に大別されます。
慢性じんま疹においては、特定の刺激(原因)が特定できないケースも多く、抗ヒスタミン薬等を用いた薬物療法により、QOLを維持しながら症状を抑え込むことが治療の主眼となります。
なお、膨疹に伴い呼吸器症状や循環器症状を呈する場合は、アナフィラキシー等の重篤な即時型アレルギー反応が疑われます。速やかな救急医療へのアクセスが必要です。自覚症状が長引く際や治療への不安がある場合は、専門医による適切な診断と指導を受けてください。
症状が気になる場合や、体調に異変を感じたら自分で判断せず、医療機関に相談するようにしましょう。
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■ 参考・出典
- 日本皮膚科学会 蕁麻疹診療ガイドライン2018年版
(https://www.dermatol.or.jp/medical/guideline/4742/) - 日本皮膚科学会 皮膚科Q&A「Q4 蕁麻疹はアレルギーが原因ですか?」
(https://qa.dermatol.or.jp/qa9/q04.html)
■ この記事を監修した医師
赤松 敬之医師 西梅田シティクリニック
近畿大学 医学部 卒
近畿大学医学部卒業。
済生会茨木病院にて内科・外科全般を担当。
その後、三木山陽病院にて消化器内科・糖尿病内科を中心に、内視鏡を含む内科全般にわたり研鑽を積む。
令和2年9月、大阪梅田に『西梅田シティクリニック』を開院。
「患者様ファースト」に徹底した医療マインドを持ち、内科診療にとどまらず健診センターや複数のクリニックを運営。
医療の敷居を下げ、忙しい方々にも医療アクセスを向上させることを使命とし、さまざまなプロジェクトに取り組む。
医院経営や医療関連のビジネスにも携わりつつ、医療現場に立ち続ける。
さらに、医師として医薬品の開発や海外での医療支援にも従事している。
- 公開日:2026/04/06
- 更新日:2026/04/06
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