風疹ふうしん

風疹は、発熱・発疹・首すじのリンパ節の腫れが特徴のウイルス感染症です。多くは軽症で自然に治りますが、妊娠初期の女性がかかると赤ちゃんに先天性風疹症候群を起こすおそれがあり、予防接種での対策がとても重要です。

⚫︎風疹とは?

風疹は、風疹ウイルスに感染して起こる「急性の発疹性感染症」です。別名「三日はしか」とも呼ばれ、発疹や発熱が数日でおさまることが多い病気です。

主な症状は

  • 全身に広がる細かい赤い発疹
  • 37〜38度前後の発熱(出ないこともあります)
  • 耳のうしろや首のリンパ節の腫れ・痛み

子どもでは比較的軽く済むことが多い一方で、大人とくに女性では関節痛などの症状が強く出ることがあります。

妊娠初期(おおむね妊娠20週頃まで)の女性が風疹にかかると、お腹の赤ちゃんが「先天性風疹症候群(CRS)」と呼ばれる病気になるおそれがあり、特に注意が必要です。

⚫︎風疹の原因

原因となるのは「風疹ウイルス」です。

  • 感染している人の咳やくしゃみのしぶき(飛沫)を吸い込むことでうつる「飛沫感染」が中心です。
  • 手指やドアノブなどについたウイルスが、口や鼻に入ってうつる「接触感染」もあります。
  • 潜伏期間(うつってから症状が出るまで)はおよそ2〜3週間です。

発疹が出る2〜3日前から、出てから約5日間は周囲の人にうつしやすいとされています。

⚫︎風疹の症状は?

典型的には、2〜3週間の潜伏期のあと、次のような症状が出てきます。

  • 37〜38度前後の発熱(出ない場合もあります)
  • 顔から始まり、首・体・手足へと広がる細かい赤い発疹
  • 耳のうしろ、後頭部、首すじのリンパ節の腫れや痛み
  • 頭痛、だるさ、食欲低下

注意ポイント

  • 発疹は「はしか(麻疹)」や「りんご病」など、ほかの発疹性の病気と見分けがつきにくいことがあります。
  • 熱が高くない、あるいはほとんど出ないこともあり、「軽い風邪」程度に見える場合もあります。
  • 症状がほとんど出ない「不顕性感染」の人もいて、知らないうちに周囲へうつしてしまうことがあります。

妊娠中に発疹やリンパ節の腫れが出た場合、または風疹患者との接触があった場合は、早めに医療機関へ相談してください。

⚫︎受診の目安

次のような場合は、受診を検討してください。

  • 発疹と発熱、首すじや耳のうしろのリンパ節の腫れが数日続いている
  • 周囲で風疹と診断された人がおり、数週間以内に接触した記憶がある
  • 妊娠中または妊娠の可能性がある状態で、急に発疹やリンパ節の腫れが出た
  • 強い頭痛・意識がぼんやりする・けいれん、全身のあざや鼻血など、いつもと違う重い症状がある

→ 子どもは小児科、大人は一般内科やかかりつけ医が相談窓口になります。
→ 妊娠中・妊娠の可能性がある場合は、産婦人科と連携して診療することが多いので、まずは主治医や近くの医療機関に電話で相談してから受診すると安心です。

⚫︎診断方法と治療方法(全体像)

診断は、発疹の出方やリンパ節の腫れ、発熱、ワクチン歴や周囲の流行状況などから風疹を疑い、必要に応じて血液検査などで確かめます。
治療は、多くの場合「対症療法(症状を楽にする治療)」が中心です。
解熱鎮痛薬やかゆみ止めを使いながら、安静と水分・栄養補給を行い、体の免疫がウイルスをやっつけるのを待ちます。
風疹ウイルスに直接効く特別な薬は基本的になく、ふつうは数日〜1週間ほどで症状が落ち着きます。
妊娠中に感染が疑われる場合は、赤ちゃんへの影響を考えながら、産婦人科で慎重な評価と経過観察が行われます。

⚫︎風疹の診断

1)問診・診察

  • いつからどのような発疹が出ているか
  • 発熱やリンパ節の腫れ、関節痛の有無
  • 風疹と診断された人との接触歴
  • 予防接種歴(何回打ったか、打っていないか)
  • 妊娠中か、妊娠の可能性があるか

こうした情報をもとに、医師が総合的に風疹の可能性を判断します。

2)血液検査

  • 一般的な血液検査で炎症の程度などを確認することがあります。
  • 風疹ウイルスに対する抗体(IgM、IgG)の検査を行い、「最近かかったのか」「以前にかかったことがあるのか(免疫があるか)」の判定の参考にします。

3)妊娠中の検査

妊娠中に感染が疑われる場合は、妊娠週数や赤ちゃんの状態をみながら、抗体検査や超音波検査などを組み合わせて慎重に評価します。

⚫︎風疹の治療

A. 自宅での初期対応(基本方針)

  • 安静と休養:発熱やだるさがある間は、無理をせず横になって過ごします。
  • 水分補給:こまめに水分をとり、脱水を防ぎます。食欲がないときは、消化のよい飲み物やゼリーなども活用します。
  • 解熱鎮痛薬:頭痛や発熱がつらいときは、医師や薬剤師の指示に従って解熱鎮痛薬を使用します。

B. 入院や専門的な治療が必要な場合

  • 意識がもうろうとする、けいれんがあるなど脳炎が疑われるとき
  • 皮下出血や鼻血が多いなど、血小板が大きく減っている疑いがあるとき
  • 重い肺炎症状や呼吸困難があるとき

こうした場合には、入院して詳しい検査や治療を行うことがあります。

C. 妊娠中に風疹が疑われる場合

  • 妊娠初期に発疹やリンパ節の腫れが出たときは、早めに産婦人科を受診してください。
  • 風疹かどうか、いつ頃の感染と考えられるかをできる範囲で評価したうえで、赤ちゃんへの影響や今後の方針を主治医と相談します。
  • 検査結果や妊娠週数によって取れる選択肢が異なるため、一人で抱え込まず、必ず専門の医師と話し合いながら決めていきます。

⚫︎風疹の予後

  • 子どもや健康な成人では、多くが数日〜1週間ほどで熱や発疹が落ち着きます。
  • リンパ節の腫れや軽い関節痛は、症状が治まったあともしばらく残ることがあります。
  • 一度風疹にかかるか、ワクチンを規定回数接種すると、多くの人は長期にわたって免疫が続くとされています。

ただし、妊娠初期の母体感染による「先天性風疹症候群」は、赤ちゃんの難聴や先天性心疾患、白内障、発達の遅れなど、重大な影響を残す可能性があるため、予防が何より重要です。

⚫︎風疹の予防

ワクチン(MRワクチン)

  • 風疹は、麻しん(はしか)との混合ワクチンである「MRワクチン」で予防します。
  • 通常は、1歳と小学校入学前の1年間(5〜6歳頃)に2回接種するスケジュールです。
  • 過去の制度の影響で、特に現在の40〜50歳代の男性など、十分な接種を受けていない世代があり、この世代での集団感染が問題になったことがあります。

妊娠を希望する方・その家族

  • 将来妊娠を考えている女性は、妊娠前に風疹の抗体検査やワクチン歴の確認をしておくと安心です。
  • 抗体が不十分な場合は、妊娠前にワクチン接種を検討します(接種後は一定期間避妊が必要です)。
  • 妊娠中は生ワクチンであるMRワクチンは原則接種できないため、パートナーや同居家族がワクチンを受けて「周囲から守る」ことも大切です。

日常生活での工夫

  • 体調不良時は無理をせず、学校や仕事を休むことを検討します。
  • 咳やくしゃみが出るときは、マスク着用や咳エチケットを守ります。
  • こまめな手洗い・手指消毒は、風疹だけでなく多くの感染症の予防につながります。

⚫︎風疹に関連する病気や合併症

先天性風疹症候群

妊娠初期の母親が風疹にかかることで、赤ちゃんに難聴、先天性心疾患、白内障、緑内障、発達の遅れなどが生じる状態です。重い場合は流産・死産の原因となることもあります。

関節炎・関節痛

特に成人女性に多く、一時的に手首や指、ひざなどの関節が痛んだり腫れたりすることがあります。

血小板減少性紫斑病

血小板という血を固める細胞が減ることで、皮下出血や点状出血、鼻血、歯ぐきからの出血などが出ることがあります。

⚫︎まとめ

風疹は、多くの人にとっては軽い経過で治ることが多い感染症ですが、妊娠初期の女性がかかると赤ちゃんに重い影響を残す可能性があります。発疹・発熱・リンパ節の腫れなどの症状があるとき、また妊娠中に「風疹かもしれない」と感じたときは、自己判断せず早めに医療機関へ相談してください。

ワクチン接種や抗体検査を活用し、自分自身だけでなく、周囲の人や将来生まれてくる赤ちゃんを守ることがとても大切です。接種歴があいまいな場合も、まずはかかりつけ医に相談し、必要な検査や接種について一緒に考えていきましょう。

症状が気になる場合や、体調に異変を感じたら自分で判断せず、医療機関に相談するようにしましょう。

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■ 参考・出典

■ この記事を監修した医師

赤松 敬之医師 西梅田シティクリニック

近畿大学 医学部 卒

近畿大学医学部卒業。
済生会茨木病院にて内科・外科全般を担当。
その後、三木山陽病院にて消化器内科・糖尿病内科を中心に、内視鏡を含む内科全般にわたり研鑽を積む。
令和2年9月、大阪梅田に『西梅田シティクリニック』を開院。

「患者様ファースト」に徹底した医療マインドを持ち、内科診療にとどまらず健診センターや複数のクリニックを運営。 医療の敷居を下げ、忙しい方々にも医療アクセスを向上させることを使命とし、さまざまなプロジェクトに取り組む。 医院経営や医療関連のビジネスにも携わりつつ、医療現場に立ち続ける。
さらに、医師として医薬品の開発や海外での医療支援にも従事している。

  • 公開日:2026/03/06
  • 更新日:2026/03/06

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