レンサ球菌感染症れんさきゅうきんかんせんしょう

レンサ球菌感染症は、溶連菌と呼ばれる細菌がのどや皮膚などに感染して起こる病気の総称です。多くはのど風邪や皮膚感染で済みますが、まれに心臓・腎臓の合併症や、劇症型溶血性レンサ球菌感染症といった命に関わる重症型になることもあります。

⚫︎レンサ球菌感染症とは?

レンサ球菌は丸い菌が鎖のようにつながって見える細菌で、多くは「A群溶血性レンサ球菌(溶連菌)」が問題になります。主にのど(扁桃)や皮膚に感染し、溶連菌咽頭炎、猩紅熱、膿痂疹(とびひ)などを起こします。まれに血液や筋肉の深い部分に入り、劇症型溶血性レンサ球菌感染症(いわゆる人食いバクテリア病)を起こすことがあります。

⚫︎レンサ球菌感染症の原因

主な原因菌はA群溶血性レンサ球菌で、くしゃみや咳のしぶき(飛沫)や、鼻水・よだれ・皮膚病変に触れることで感染します。保育園・学校・家庭内など、近い距離での生活の場で広がりやすいのが特徴です。B群レンサ球菌は妊婦さんの産道から新生児へうつり、重い肺炎や髄膜炎を起こすことがあります。皮膚の傷、湿疹、手荒れなども菌の入り口になります。

⚫︎レンサ球菌感染症の症状は?

どの部位に感染するかで症状が変わります。

  • のど:急な発熱、強いのどの痛み、扁桃の腫れ、首のリンパ節の腫れ。全身に細かい赤い発疹や「いちご舌」が出ると猩紅熱と呼ばれます。
  • 皮膚:とびひ、おでき、蜂窩織炎などとして赤み・腫れ・痛み・膿が出ます。
  • 深部:骨や関節に入ると骨髄炎や化膿性関節炎、血液に入ると敗血症、劇症型では四肢の激痛・腫れ、血圧低下など急速に悪化します。

⚫︎受診の目安

次の症状がある場合は受診をオススメいたします。

  • 38℃以上の発熱とのどの強い痛みが数日続く
  • のどの奥が真っ赤で白い膿がついている
  • 全身に細かい赤い発疹や、赤くブツブツした「いちご舌」がある
  • 皮膚の赤み・腫れ・痛みが広がる、とびひが増えている
  • 手足や傷の周りが急に腫れて強く痛む
  • ぐったりして元気がない、息苦しそう

こうした場合は、一般内科・小児科・耳鼻咽喉科・皮膚科などの受診をおすすめします。息苦しい、意識がもうろう、血圧が低そうなときは救急受診が必要です。

⚫︎診断方法と治療方法(全体像)

診断は、症状と診察に加え、のどや皮膚の検体を使った検査で行います。のどの場合は「迅速抗原検査」で数分以内に溶連菌の有無を調べ、必要に応じて培養検査で確定します。治療の基本はペニシリン系などの抗菌薬です。多くは内服で治療できますが、重症例や劇症型では入院して点滴抗菌薬と全身管理(輸液・酸素・場合により手術)が必要になります。

⚫︎レンサ球菌感染症の診断

1)問診・診察

発熱、のどの痛み、発疹、皮膚の赤み、家族や園・学校での流行状況などを確認します。口の中(扁桃)、皮膚、リンパ節の腫れ、心音・呼吸音などを丁寧に診察します。

2)検査

のどを綿棒でこする迅速抗原検査で溶連菌の有無を確認します。陰性でも症状が強い場合や合併症が心配な場合は培養検査を追加します。血液検査で炎症の程度を確認し、腎炎が疑われる場合は尿検査で血尿・蛋白尿を調べます。

3)画像検査

肺炎や膿胸が疑われる場合は胸部レントゲンやCTで、骨髄炎や関節炎が疑われる場合はX線やMRIなどで、感染の広がりや重症度を評価します。心臓への波及が心配なときは心エコー検査で心臓の動きや弁の状態を確認します。

4)重症度評価・他疾患との鑑別

血圧・脈拍・呼吸状態・尿量などから全身状態を評価し、敗血症やショックの有無を確認します。同じようなのどの痛みを起こすウイルス性咽頭炎や、他の細菌感染(ブドウ球菌感染症など)との区別も行い、必要に応じて専門科と連携して診断を確定させます。

⚫︎レンサ球菌感染症の治療

A. 基本の薬物治療

ペニシリン系(アモキシシリンなど)の飲み薬が第一選択です。ふつうは10日前後続けて内服し、熱やのどの痛みが軽くなっても自己判断で中止せず、処方された日数は必ず飲み切ります。途中でやめると、リウマチ熱や急性糸球体腎炎などの合併症のリスクが高くなります。

B. ペニシリンアレルギーがある場合

ペニシリンでじんま疹が出たことがあるなど、アレルギーが疑われる場合は、マクロライド系など別の抗菌薬を検討します。ただし、耐性菌(薬が効きにくい菌)の問題があるため、自分で市販薬を選ばず、必ず医師の指示に従ってください。

C. 重症例・合併症を伴う場合

劇症型溶血性レンサ球菌感染症や壊死性筋膜炎などの重症例では、入院して高用量の点滴抗菌薬を使用し、必要に応じて壊死した組織を外科的に切除します。同時に、血圧や呼吸状態を保つために集中治療室での管理が行われることもあります。

⚫︎レンサ球菌感染症の予後

溶連菌咽頭炎や軽い皮膚感染の多くは、適切な抗菌薬治療により数日〜1週間ほどで改善します。一方で、治療が遅れたり、薬を飲み切らなかった場合には、リウマチ熱(心臓弁膜症の原因になることがあります)や急性糸球体腎炎(血尿・むくみ・高血圧)などの合併症が出ることがあります。ごく一部ですが、劇症型溶血性レンサ球菌感染症や壊死性筋膜炎のように、短時間でショックや多臓器不全に進行し、命に関わるケースも報告されています。

⚫︎レンサ球菌感染症の予防

日常生活では、手洗いと咳エチケットが最も大切です。外出後や食事前、トイレ後は石けんと流水でしっかり手を洗い、咳・くしゃみのときはマスクやハンカチで口と鼻をおおいます。のどの強い痛みや高熱があるときは登園・登校・出勤を無理に続けず、早めに受診しましょう。とびひがある場合は、患部を掻きこわさないように爪を短くし、ガーゼで覆って広がりを防ぎます。妊婦さんは、妊婦健診でB群レンサ球菌の検査を受け、陽性であれば分娩時の抗菌薬投与で新生児感染を減らせます。

⚫︎レンサ球菌感染症に関連する病気や合併症

  • 溶連菌咽頭炎、扁桃炎
  • 猩紅熱(全身の細かい発疹といちご舌が特徴)
  • 膿痂疹(とびひ)、蜂窩織炎、壊死性筋膜炎
  • 劇症型溶血性レンサ球菌感染症(STSS:急速にショック、多臓器不全に進む重症型)
  • リウマチ熱(心臓弁膜症の原因になることがあります)
  • 急性糸球体腎炎(血尿・むくみ・高血圧)

のどや皮膚の一見軽い感染から、時間をおいて発症することもあるため、「溶連菌と言われたあとに体調がおかしい」と感じたら、早めに内科・小児科で相談してください。

⚫︎まとめ

レンサ球菌感染症は、咽頭炎や皮膚感染症(とびひ等)を主症状とする細菌感染症です。 本疾患の治療において最も重要なのは、抗菌薬による適切な除菌です。自己判断で服用を中止すると、急性糸球体腎炎やリウマチ熱といった深刻な合併症を招く恐れがあるため、処方された薬剤は必ず全量を服用してください。
また、飛沫や接触によって周囲へ広がるため、手洗い・咳エチケットなどの感染対策が不可欠です。非定型的な症状や、全身状態の異変を感じた場合は、速やかに医療機関を受診し、適切な検査と治療を受けてください。

症状が気になる場合や、体調に異変を感じたら自分で判断せず、医療機関に相談するようにしましょう。

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■ 参考・出典

■ この記事を監修した医師

赤松 敬之医師 西梅田シティクリニック

近畿大学 医学部 卒

近畿大学医学部卒業。
済生会茨木病院にて内科・外科全般を担当。
その後、三木山陽病院にて消化器内科・糖尿病内科を中心に、内視鏡を含む内科全般にわたり研鑽を積む。
令和2年9月、大阪梅田に『西梅田シティクリニック』を開院。

「患者様ファースト」に徹底した医療マインドを持ち、内科診療にとどまらず健診センターや複数のクリニックを運営。 医療の敷居を下げ、忙しい方々にも医療アクセスを向上させることを使命とし、さまざまなプロジェクトに取り組む。 医院経営や医療関連のビジネスにも携わりつつ、医療現場に立ち続ける。
さらに、医師として医薬品の開発や海外での医療支援にも従事している。

  • 公開日:2026/03/03
  • 更新日:2026/03/03

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