尖圭コンジローマせんけいこんじろーま

ヒトパピローマウイルス(HPV)による性感染症で、性器や肛門周囲に小さないぼが多発します。痛みやかゆみは軽いこともありますが再発しやすく、塗り薬・凍結・焼灼などで治療します。ワクチンとコンドームで予防が大切です。

⚫︎尖圭コンジローマとは?

HPV(主に6型・11型)が性行為などの皮膚・粘膜接触を通じて感染し、性器や肛門周囲に乳頭状・鶏冠状のいぼができる病気です。潜伏期間は数週間〜3か月ほどです。

いぼは1個から多発まで様々で、やわらかく、表面がざらざらして増えるとカリフラワー状に見えることがあります。痛みは軽いか無いことも多く、見た目の不安やこすれの違和感が受診のきっかけになります。
自然に消えることもありますが、再発しやすく、治療後もしばらく通院観察が必要です。

⚫︎尖圭コンジローマの原因

  • 原因はHPVへの感染です。わずかな傷からウイルスが入り、表皮の基底層で増えます。性行為(膣・肛門・口)や性器同士の摩擦でうつるため、コンドームを使っても完全には防ぎきれません。
  • とくにHPV6型・11型が多く、これらは「がん化リスクが低い型(低リスク型)」に分類されます。まれに手指や口腔を介した感染、分娩時の母子感染が報告されています。

⚫︎尖圭コンジローマの症状は?

  • 性器(陰茎、陰嚢、外陰、膣口、膣内、子宮頸部)、肛門周囲、会陰に、1〜2mm大のやわらかいいぼが多発します。色は皮膚色〜薄い赤色。軽いかゆみ・出血・こすれ痛を伴うことがあります。
  • 膣や肛門の内側にできると自分で見つけにくく、違和感や出血で気づくことがあります。
  • 妊娠中は免疫の変化で増大・多発しやすく、分娩時の出血や新生児の喉頭乳頭腫のリスクが議論されています。

⚫︎受診の目安

  • 性器や肛門周りに小さないぼ、ザラつき、増えるいぼがある。
  • 性交後にいぼが増えた、出血やしみる感じがある。
  • 妊娠中に外陰部のいぼが増えた、排便や排尿の妨げになる。

→ 女性は産婦人科・皮膚科、男性は泌尿器科・皮膚科、どなたでも性感染症外来・一般内科で相談できます。

⚫︎診断方法と治療方法(全体像)

  • 診断は視診が基本です。必要に応じて酢酸白化試験、ダーモスコピー、組織検査で他疾患を除外します。
  • 治療は「いぼを取り除くこと」が中心で、塗り薬(免疫応答を高める薬)、凍結療法(液体窒素)、電気焼灼・レーザー、切除などから選びます。
  • 再発が多いため、治療後も数か月は再発チェックを行い、生活面ではパートナー対応と予防を整えます。

⚫︎尖圭コンジローマの診断

  1. 視診で典型例は診断可能です。梅毒(尖圭コンジローマに似る扁平コンジローマ)、伝染性軟属腫(みずいぼ)、脂漏性角化症、ボーエン様丘疹症、スキンタッグなどと区別します。
  2. 腫瘍が硬い、色が不均一、潰瘍化する、急速に増大する、治療に反応しにくい場合は生検(組織検査)を検討します。
  3. 性感染症は重複しやすいため、症状や行為歴に応じて梅毒・HIV・クラミジア・淋菌などの検査を同時に行うことがあります。

⚫︎尖圭コンジローマの治療

A.外用療法

イミキモド(ベセルナ)クリーム:週数回、数週間〜数か月塗布し免疫反応を高めていぼを小さくします。赤み・ヒリヒリなどの局所反応が出ることがあります。
妊娠中は使用できない薬があるため、必ず妊娠の有無を申告してください。

B.冷凍凝固(液体窒素)

外来で短時間に行える一般的な治療です。数回くり返すことがあります。]

C.電気焼灼・レーザー・切除

大きい・多発・再発例で選択します。術後の創部ケアと再発観察が必要です。

D.性行為・生活上の注意

治療中は患部が治るまで性行為を控えます。コンドームは完全予防ではありませんが、再感染・相互感染のリスクを下げます。

⚫︎尖圭コンジローマの予後

  • 生命に関わる病気ではありませんが、再発しやすく、治療後もしばらく経過観察が必要です。多くは低リスク型HPVによるため、いぼ自体ががん化することは稀です。
  • ただし同時に高リスク型HPVに感染している可能性はあるため、子宮頸がん検診など年齢・性別に応じた検診は継続してください。

⚫︎尖圭コンジローマの予防

  • HPVワクチン(9価など)で、尖圭コンジローマの主因である6型・11型を含むタイプへの感染予防効果が期待できます。
  • コンドームの継続使用、症状がある時期の性行為回避、パートナーとの情報共有が再感染・相互感染の予防に役立ちます。
  • 喫煙は免疫応答に影響し再発の一因とされる報告があるため、禁煙が望ましいです。

⚫︎尖圭コンジローマに関連する病気や合併症

  • 肛門内・直腸の疣贅、尿道口・膀胱頸部の疣贅
  • ボーエン様丘疹症、上皮内腫瘍(別の病型)
  • 妊娠関連:分娩時の機械的障害、まれに新生児の喉頭乳頭腫
  • 心理的ストレス、性生活への影響、対人関係の不安

⚫︎まとめ

尖圭コンジローマはいぼができるHPVの性感染症で、再発しやすいのが特徴です。診断は視診が基本、治療は塗り薬・凍結・焼灼・切除などから選びます。
治療後もしばらく再発チェックが必要で、パートナー対応とコンドームが重要です。
HPVワクチンで主因型(6・11型)を含むタイプの予防が期待できます。心配な場合は早めに受診しましょう。

 

症状が気になる場合や、体調に異変を感じたら自分で判断せず、医療機関に相談するようにしましょう。

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■ 参考・出典

Ubie 病気のQ&A「尖圭コンジローマ」:受診先、治療(外用・凍結・手術)や自然経過の説明。
症状検索エンジン「ユビー」 by Ubie

MSDマニュアル家庭版「尖圭コンジローマ」:臨床像、自然経過、予防の考え方。
MSD Manuals

■ この記事を監修した医師

赤松 敬之医師 西梅田シティクリニック

近畿大学 医学部 卒

近畿大学医学部卒業。
済生会茨木病院にて内科・外科全般を担当。
その後、三木山陽病院にて消化器内科・糖尿病内科を中心に、内視鏡を含む内科全般にわたり研鑽を積む。
令和2年9月、大阪梅田に『西梅田シティクリニック』を開院。

「患者様ファースト」に徹底した医療マインドを持ち、内科診療にとどまらず健診センターや複数のクリニックを運営。 医療の敷居を下げ、忙しい方々にも医療アクセスを向上させることを使命とし、さまざまなプロジェクトに取り組む。 医院経営や医療関連のビジネスにも携わりつつ、医療現場に立ち続ける。
さらに、医師として医薬品の開発や海外での医療支援にも従事している。

  • 公開日:2026/02/26
  • 更新日:2026/02/26

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