非ホジキンリンパ腫ひほじきんりんぱしゅ
非ホジキンリンパ腫はリンパ球のがんの総称です。無痛性のリンパ節腫脹や発熱、寝汗、体重減少が手がかりとなります。生検で確定し、型と病期に応じて化学療法や免疫療法、放射線を組み合わせて治療します。
目次
⚫︎非ホジキンリンパ腫とは?
非ホジキンリンパ腫は、リンパ球(B細胞、T細胞、NK細胞)から発生する血液のがんの総称です。進行の速さや治療法は病型によって異なり、ゆっくり進む低悪性度型から急速に進む高悪性度型まで幅があります。確定診断には腫れたリンパ節などの組織を採取する生検が必要で、画像検査や血液検査、分子検査を合わせて病期と方針を決めます。気になる症状が続く場合は、自己判断せず早めに受診してください。
⚫︎非ホジキンリンパ腫の原因
リンパ球の設計図である遺伝子に偶発的な変化が重なり、増殖のブレーキが効きにくくなることがあります。年齢とともに生じる変化や、免疫バランスの乱れが背景に関与することもあります。
一部の病型では感染が関連します。
代表例として、EBウイルスやヘリコバクター・ピロリ菌が挙げられ、胃や中枢神経など特定部位のリンパ腫で関与が示される場合があります。
高線量の放射線曝露や一部薬剤など、環境要因が指摘されることもありますが、日常生活レベルが直接の原因と断定できることは多くありません。
多くは家族性ではありません。原因を特定できないことがほとんどで、生活習慣や性格が直接の原因ではないため、ご自身を責める必要はありません。
⚫︎非ホジキンリンパ腫の症状
非ホジキンリンパ腫は、リンパ節にできる腫れが代表的な症状です。首・わき・そけい部などに、痛みの少ない“こぶ”のような腫れが出ることがあります。
進行すると、発熱・寝汗・体重減少、強い倦怠感、息切れが続くこともあります。鼻や口の奥のリンパ組織に病変がある場合は、鼻血や鼻づまり、のどに流れ込むような出血がみられることがあり、血を飲み込むと黒っぽい便が出ることもあります。
また、出血が続くと、めまい・立ちくらみ、動悸、息切れ、顔色不良、だるさといった貧血症状が現れることもあり、高齢の方や持病がある方では少量の出血でも症状が出やすいため注意が必要です。
⚫︎受診の目安
- 発熱、強い倦怠感、息切れが続く
- 首やわきのリンパ節が腫れている、しこりが大きくなる
- 原因不明のあざ、鼻血、歯ぐき出血、月経過多がある
- 鼻血がのどに流れ込む、黒っぽい便が出るなどの出血症状が続く
- 健康診断で血球異常を指摘された
→ こうした症状がある場合は、早めに内科・血液内科を受診し、血液検査や必要に応じて画像検査・骨髄検査を受けましょう。早期診断と適切な治療計画が、寛解と再発予防につながります。
⚫︎診断方法と治療方法(全体像)
診断は、生検で病理学的に種類を確定し、CTやPET-CTで広がり(病期)を評価します。必要に応じて分子・遺伝子検査で細分類します。治療は病型と病期、全身状態に応じて化学療法や免疫療法、分子標的薬を中心に、限局病変では放射線治療を併用します。吐き気対策や感染予防、栄養・心理支援などの支持療法を並行し、安全に治療を継続します。
⚫︎非ホジキンリンパ腫の診断
1)問診・診察
- 症状の期間と部位、B症状の有無を確認し、全身のリンパ節と肝・脾の腫れを診ます。
2)血液・生体検査
- 血球数、肝腎機能、LDH、可溶性IL-2Rなどを評価し、腫瘍の勢いの参考にします。
3)画像/病理
- CTやPET-CTで病変の分布を把握し、外科的生検または針生検で病理確定と免疫染色を行います。
4)遺伝子・病期分類
- 特徴的な分子異常の有無を調べ、Ann Arbor病期や国際予後指標でリスクを層別化します。
5)治療前評価(合併症・妊孕性など)
- 心肺機能、感染症の有無、妊孕性温存の要否、併用薬の相互作用を確認します。
⚫︎非ホジキンリンパ腫の治療
A. 基本方針
- 寛解の獲得と再発予防を目標に、病型、病期、体力に合わせて全身治療を設計します。限局例は放射線を併用することがあります。
B. 薬物療法
- B細胞型ではリツキシマブを上乗せした化学療法(例:R-CHOP)が標準的です。高悪性度型では用量強化や別レジメンを選択し、T細胞型では適した化学療法や分子標的薬を用います。
C. 併用療法/放射線・手術など
- 限局病変では化学療法後に病変部への放射線を追加することがあります。臓器圧迫や疼痛に対して局所療法を検討する場合もあります。
D. 再発・難治への対応
- 再発時は救援化学療法を行い、自家造血幹細胞移植を検討します。適応により抗体薬物複合体、CAR-T療法、分子標的薬や免疫療法などの選択肢があります。経過や副作用に応じて治療を段階的に見直します。
E. 支持療法と生活の工夫
- 発熱時の早期受診、予防接種の相談、口腔ケア、吐き気や便秘への対策、十分な栄養と睡眠、無理のない運動、心理的サポートを組み合わせて治療継続を支えます。
服薬上の注意:自己判断での中断や減量は避けてください。併用薬やサプリ、特定食品で相互作用が起こり得るため、開始・中止は必ず医療者へ相談してください。
⚫︎非ホジキンリンパ腫の予後
非ホジキンリンパ腫の予後は、病型・進行度・治療への反応によって大きく異なります。早期に見つかった場合は治療により良好な経過をたどることも多く、化学療法や抗体薬などの進歩により治療成績は向上しています。
一方、進行例や悪性度の高いタイプでは、症状が急速に悪化したり、治療効果が不十分な場合もあり、慎重な経過観察と継続的な治療が必要です。
免疫力が低下して感染症を合併したり、病変が全身に広がると生活への影響が大きくなることもありますが、適切に原因を調べ、治療計画を立てることで、多くの患者さんで症状のコントロールや長期の安定が期待できます。
⚫︎非ホジキンリンパ腫の予防
確実な一次予防は分かっていません。できる合併症予防策は可能です。
- 手洗い・うがい・口腔ケアの徹底
- ワクチン接種の可否と時期の相談、十分な睡眠と栄養、過度の飲酒と喫煙を避ける
- 流行期や人混みでの感染対策(マスク、混雑回避)
- 発熱や息切れ、出血、黒色便・血便があれば早期受診
- 通院スケジュールと服薬管理の徹底を推奨します。
⚫︎非ホジキンリンパ腫に関連する病気や合併症
- 感染症:治療関連の好中球減少で重症化しやすくなります。
- 出血・血栓:血小板異常や薬剤の影響で起こり得ます。
- 臓器圧迫:縦隔や腹部の腫大で咳、息切れ、腹部膨満を生じます。
- 腫瘍崩壊症候群:治療開始時に電解質異常や腎障害を来すことがあります。
- 二次発がん・晩期合併症:長期フォローで監視が必要です。
- 貧血・栄養障害:食欲低下や治療の影響で見られることがあります。
- 心理社会的課題:不安、抑うつ、就労・学業との両立が課題になることがあります。
⚫︎まとめ
非ホジキンリンパ腫は、リンパ球が異常に増えることでリンパ節や全身の臓器に腫れや炎症を起こす病気です。首・わき・そけい部のしこり、発熱、寝汗、体重減少、強い倦怠感などがゆっくり、または急に進むことがあります。鼻や口の奥に病変がある場合は、鼻血が続いたり、血がのどへ流れ込むこともあります。
治療は病型により、化学療法・放射線治療・抗体薬などを組み合わせて行います。放置すると進行することがあるため、リンパ節の腫れが続く、原因不明の発熱や倦怠感がある場合は早めの受診が大切です。不安なときは一人で抱え込まず、主治医と相談しながら自分に合った治療方針を一緒に考えていきましょう。
症状が気になる場合や、体調に異変を感じたら自分で判断せず、医療機関に相談するようにしましょう。
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■ 参考・出典
- Byomie(病みえ)Vol.1
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(https://ubie.app/byoki_qa)
■ この記事を監修した医師
赤松 敬之医師 西梅田シティクリニック
近畿大学 医学部 卒
近畿大学医学部卒業。
済生会茨木病院にて内科・外科全般を担当。
その後、三木山陽病院にて消化器内科・糖尿病内科を中心に、内視鏡を含む内科全般にわたり研鑽を積む。
令和2年9月、大阪梅田に『西梅田シティクリニック』を開院。
「患者様ファースト」に徹底した医療マインドを持ち、内科診療にとどまらず健診センターや複数のクリニックを運営。
医療の敷居を下げ、忙しい方々にも医療アクセスを向上させることを使命とし、さまざまなプロジェクトに取り組む。
医院経営や医療関連のビジネスにも携わりつつ、医療現場に立ち続ける。
さらに、医師として医薬品の開発や海外での医療支援にも従事している。
- 公開日:2026/02/24
- 更新日:2026/02/24
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