グラム陽性菌ぐらむようせいきん
グラム陽性菌は、特殊な染色(グラム染色)で紫色に染まる細菌のグループで、黄色ブドウ球菌やレンサ球菌、肺炎球菌、腸球菌などが含まれます。皮膚感染症や肺炎、心内膜炎、敗血症など、体のさまざまな部位で感染症を起こし、重症化すると命に関わることもあるため、早めの受診と適切な抗菌薬治療が重要です。
目次
⚫︎グラム陽性菌とは?
グラム陽性菌は、月経が始まる前(多くは3〜10日間)に表れる心と体のさまざまな症状が、月経の開始とともに軽快または消失する状態をいいます。日本では多くの方が何らかの月経前の不調を自覚し、その一部は日常生活に支障を来すほど強く出ます。
精神症状が特に強く、学業・仕事・人間関係に著しい支障が出る場合は月経前不快気分障害(PMDD)と呼び、PMSの重いタイプとして区別して対応します。
⚫︎グラム陽性菌の原因
「グラム陽性菌がいること」自体は珍しいことではなく、多くは人の体と共存しています。問題になるのは、次のような場面で菌が増えすぎたり、体の深い部分に入り込んだときです。
皮膚や粘膜のバリアが壊れたとき
すり傷・切り傷・手術後の傷・褥瘡(床ずれ)などから菌が入り、皮膚や皮下組織に炎症が起こります。黄色ブドウ球菌などが代表的です。
のどや気道の感染
レンサ球菌による「溶連菌咽頭炎」や、肺炎球菌による肺炎など、上気道から肺までさまざまな部位で感染を起こします。
血流や心臓・骨への広がり
菌が血液中に入り込むと「菌血症」や「敗血症」となり、高熱・血圧低下などの重症状態に進むことがあります。
免疫力の低下
高齢、糖尿病、がん、ステロイドや免疫抑制薬の使用中など、免疫力が下がっている方では、ふだんなら問題になりにくい菌でも重い感染を起こすことがあります。
⚫︎グラム陽性菌の症状は?
グラム陽性菌がどの部位で、どれくらい増えているかによって症状は変わります。主なパターンを挙げます。
全身症状
- 発熱(微熱〜高熱)
- 悪寒(ガタガタ震えるような寒気)
- だるさ・食欲低下
- 重症では、息苦しさ、意識がもうろうとする、血圧低下など(敗血症・敗血症性ショック)
皮膚・軟部組織の感染
- 赤く腫れて熱を持つ(蜂窩織炎)
- 毛穴や小さな傷から膿が出て、押すと痛む「できもの」(せつ・よう)
- とびひ(伝染性膿痂疹)、ニキビの悪化なども、グラム陽性菌が関わることがあります。
皮膚・軟部組織の感染
- のどの痛み、扁桃腺の腫れ(白い膿がつくこともある)
- 咳やたん、息苦しさ、胸の痛み(気管支炎・肺炎など)
骨・関節・心臓など深部の感染
- 関節の腫れ・強い痛み、動かしにくさ(化膿性関節炎)
- 腰や背中の強い痛み(脊椎炎・骨髄炎)
- 動悸・息切れ・むくみなど(感染性心内膜炎による心不全症状など)
尿路・腹腔内など
- 腸球菌は尿路感染症や腹膜炎の原因になることがあります。排尿時の痛みや頻尿、腰痛などが出ることがあります。
同じ「グラム陽性菌感染症」でも、軽い皮膚の感染から、命に関わる重症感染まで幅があり、症状の強さや進行の速さが重要です。
⚫︎受診の目安
次のような症状がある場合は、放置せずに医療機関の受診を検討してください。
- 発熱が数日以上続き、悪寒やだるさが強い
- 傷や虫刺されの周りが赤く腫れ、熱を持ち、触ると強い痛みがある
- 膿が出る、赤い線が筋のように伸びている
- のどの強い痛みや咳・たんが続き、高熱や息苦しさを伴う
すでにグラム陽性菌の感染症と診断されている方で
- 解熱剤を使っても高熱が続く
- 息苦しさが増す、胸痛が出てきた
- 意識がもうろうとする、冷や汗・強いふらつきがある
これらの場合は、敗血症や深い場所の感染に進行している可能性があるため、早めに再受診が必要です。
急な激しい胸痛・強い呼吸困難・意識障害・血圧低下(立てない、会話が保てないなど)といった症状は救急受診のサインです。自己判断で様子を見すぎず、救急要請も含めて速やかに医療機関を受診してください。
⚫︎診断方法と治療方法(全体像)
グラム陽性菌による感染かどうかは、
- 症状と診察所見
- 血液検査(炎症反応・白血球数など)
- 画像検査(レントゲンやCTなど)
- 細菌検査(グラム染色・培養)
を組み合わせて判断します。
グラム染色では、採取した膿・たん・血液などをガラスに塗って染色し、顕微鏡で観察します。ここで紫色の球菌や桿菌が見えると「グラム陽性菌の可能性が高い」と判断し、その結果をもとに抗菌薬の種類を選びます。
治療の中心は抗菌薬ですが、膿がたまっている場合には切開・排膿などの外科的処置も非常に重要です。重症例では、入院して点滴治療や集中治療を行います。
⚫︎グラム陽性菌の診断
1)問診・診察
- 発熱の経過(いつから・どれくらいの熱か)
- 傷や手術歴、医療機器(点滴ルート・カテーテル・人工関節など)の有無
- のどの痛み、咳・たん、胸の痛み、息苦しさの有無
- 関節や骨の痛み、腫れの有無
診察では、皮膚の発赤・腫脹・膿、関節の腫れ、心雑音、呼吸音、血圧や脈拍などを丁寧に確認します。
2)血液・尿検査
- 炎症反応(CRP)、白血球数、肝機能・腎機能をチェックします。
- 敗血症が疑われる場合は、血液培養(血液から菌を増やす検査)を複数回行い、血液中の菌の有無や種類を調べます。
- 必要に応じて尿検査・尿培養も行い、尿路感染の有無を確認します。
3)細菌検査(グラム染色・培養・感受性試験)
- 膿、喀痰(たん)、のどぬぐい液、尿、血液などを採取してグラム染色を行い、グラム陽性か陰性かを確認します。
- その後、培養で菌を増やして種類を特定し、どの抗菌薬が効きやすいか(薬剤感受性)を調べます。
- MRSAなど耐性菌(普通の抗菌薬が効きにくい菌)が見つかった場合は、それに合わせた治療薬の選択が必要になります。
4)画像検査
- 肺炎が疑われる場合は胸部レントゲンやCTで肺の陰影を確認します。
- 骨髄炎・関節炎が疑われる場合は、MRIや骨シンチなどで感染の広がりや深さを調べます。
- 心内膜炎が疑われる場合は、心エコー検査で心臓弁に付着した菌塊(疣贅)がないかを確認します。
⚫︎グラム陽性菌の治療
A. 抗菌薬治療(内服・点滴)
- 軽い皮膚感染や咽頭炎などでは、ペニシリン系・セフェム系などの内服抗菌薬が使われることが多いです。
- 肺炎、骨髄炎、心内膜炎、敗血症など中等症〜重症の場合は、入院して点滴抗菌薬を使用します。
- MRSAなど耐性菌が疑われる、もしくは検査で確認された場合には、バンコマイシンなどの抗MRSA薬を用いることがあります。
- 抗菌薬は、症状が良くなっても自己判断で中止せず、医師が指示した期間はきちんと飲み切ることが大切です。途中でやめると菌が生き残り、再発や耐性獲得の原因になります
B. 感染源のコントロール
- 膿瘍(うみのたまり)は、抗菌薬だけでは治りにくく、切開・排膿(うみを外に出す処置)が必要なことが多いです。
- 感染源になっている可能性のあるカテーテルや点滴ルート、人工物などは、状況をみて抜去・交換を検討します。
C. 全身管理
- 敗血症や重症肺炎では、点滴による水分・電解質補正、血圧を保つ薬(昇圧薬)、酸素投与、必要に応じて人工呼吸管理など、集中治療が必要になります。
- 糖尿病や心不全、腎不全などの基礎疾患がある場合は、そのコントロールも並行して行うことで、感染症の治りやすさが変わります。
D. 再発予防・生活上の注意
- 傷は清潔に保ち、必要に応じて消毒やガーゼ交換を行います(最近は「洗浄を重視し、消毒は必要時のみ」という考え方も広まっています)。
- 手洗い、うがい、十分な睡眠やバランスのよい食事など、基本的な生活習慣も再感染の予防に役立ちます。
⚫︎グラム陽性菌の予後
予後(病気の経過・見通し)は
- 原因になっている菌の種類
- 感染している部位(皮膚、肺、骨、心臓、血液など)
- 治療開始までの時間
- 年齢や基礎疾患の有無
によって大きく変わります。
- 軽い皮膚感染や咽頭炎などは、適切な抗菌薬と安静で短期間に改善することが多いです。
- 一方で、敗血症、重症肺炎、心内膜炎、骨髄炎などは、長期の治療が必要となることもあり、後遺症や命に関わる状態になる場合もあります。
「早期に受診し、適切な抗菌薬治療を受けること」が予後を良くするための大きなポイントです。また、抗菌薬の乱用を避け、必要なときに必要な量を正しく使うことも、将来の耐性菌問題を減らすうえで重要です。
⚫︎グラム陽性菌の予防
絶対的に防ぐことはできませんが、次の工夫でリスクを下げられます。
グラム陽性菌は身の回りにたくさん存在するため、完全に「ゼロ」にすることはできませんが、次のような工夫で感染症のリスクを減らすことができます。
手洗い・うがいなどの基本的な衛生習慣
- 外から帰ったとき、トイレの後、食事や調理の前後は、石けんと流水での手洗いを心がけましょう。
- 咳やくしゃみが出るときはマスクやハンカチで口と鼻をおおい、周囲への飛まつを減らします。
傷のケアを丁寧に
- すり傷や切り傷は、水道水でよく洗い流して汚れを落とし、清潔なガーゼや絆創膏で保護します。
- 赤み・腫れ・痛み・膿が出てくるなど、傷の周囲に変化があれば早めに受診を検討してください。
基礎疾患のコントロール
- 糖尿病、慢性肺疾患、腎臓病などがあると感染症が重くなりやすくなります。定期通院とお薬の内服を守り、血糖や血圧などを安定させることが重要です。
⚫︎グラム陽性菌に関連する病気や合併症
グラム陽性菌は、次のような代表的な感染症の原因になります。
- 黄色ブドウ球菌感染症
- とびひ、蜂窩織炎、膿瘍、乳腺炎
- 肺炎、敗血症、感染性心内膜炎、骨髄炎 など
- レンサ球菌感染症(溶連菌など)
- 溶連菌性咽頭炎、丹毒、猩紅熱
- 肺炎球菌感染症
これらの感染症は、ときに
- 敗血症・敗血症性ショック
- 心不全・腎不全・呼吸不全
- 脳梗塞や多臓器不全
といった重い合併症につながることもあるため、初期の段階で適切に対応することが大切です。
⚫︎まとめ
グラム陽性菌は、細胞壁の構造の違いからグラム染色で紫色に染まる細菌の一群を指し、代表的なものにブドウ球菌属、レンサ球菌属、肺炎球菌、腸球菌などがあります。
これらの細菌は、表在性の皮膚軟部組織感染症から、肺炎、感染性心内膜炎、さらには敗血症といった侵襲性感染症まで、多岐にわたる臨床像を呈します。診断においては、臨床症状の評価に加え、グラム染色による迅速診断や培養検査による菌種の特定が極めて重要です。
治療は、同定された菌の感受性に基づいた適切な抗菌薬の選択、必要に応じた外科的ドレナージ(膿を出す処置)を組み合わせて行います。症状の遷延や増悪を認める場合は、重症化を未然に防ぐため、速やかに医療機関を受診し、専門的な評価を受けることが推奨されます。
症状が気になる場合や、体調に異変を感じたら自分で判断せず、医療機関に相談するようにしましょう。
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■ 参考・出典
- MRSA感染症の治療ガイドライン 改訂版 2019
(https://www.kansensho.or.jp/uploads/files/guidelines/guideline_mrsa_2019revised-booklet.pdf) - 成人肺炎診療ガイドライン(肺炎球菌などの解説を含む)
(https://www.jrs.or.jp/publication/file/adult_pneumonia_p.pdf)
■ この記事を監修した医師
赤松 敬之医師 西梅田シティクリニック
近畿大学 医学部 卒
近畿大学医学部卒業。
済生会茨木病院にて内科・外科全般を担当。
その後、三木山陽病院にて消化器内科・糖尿病内科を中心に、内視鏡を含む内科全般にわたり研鑽を積む。
令和2年9月、大阪梅田に『西梅田シティクリニック』を開院。
「患者様ファースト」に徹底した医療マインドを持ち、内科診療にとどまらず健診センターや複数のクリニックを運営。
医療の敷居を下げ、忙しい方々にも医療アクセスを向上させることを使命とし、さまざまなプロジェクトに取り組む。
医院経営や医療関連のビジネスにも携わりつつ、医療現場に立ち続ける。
さらに、医師として医薬品の開発や海外での医療支援にも従事している。
- 公開日:2026/03/03
- 更新日:2026/03/03
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