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お腹が痛い原因は?場所・症状別の病気と受診目安を医師監修で解説
- 公開日:2025/07/31
- 更新日:2026/09/18
「お腹が痛い」と感じたとき、どの場所が痛むのか、どんな痛み方をしているのかによって、考えられる原因は大きく異なります。 実は、腹痛は痛む場所や痛みの種類を見ることで、ある程度の目安をつけることができます。 たとえば、みぞおち・下腹部・おへその周りなど、お腹が痛い場所によって疑われる症状や受診すべき診療科は変わります。 また、キリキリ・ズキズキ・チクチクといった腹痛の種類によっても、注意が必要なケースがあります。 本記事では、お腹が痛いときに確認したい「場所」と「腹痛の種類」から、考えられる原因や受診の目安をわかりやすく解説します。 「様子を見ても大丈夫なのか」「早めに受診したほうがいいのか」迷っている方は、参考にしてみてください。
お腹が痛い原因とは?
腹痛は、胃や腸だけでなく、肝臓・胆のう・膵臓・腎臓・膀胱・婦人科など、さまざまな臓器の異常によって起こります。
また、同じ病気でも痛む場所や痛み方は人によって異なり、腹痛だけでは原因を特定できないことも少なくありません。
腹痛の原因を考える際には、次の3つのポイントを確認することが重要です。
- どこが痛いのか
- どのような痛みなのか
- 発熱や下痢、吐き気などほかの症状はあるか
これらを確認することで、考えられる病気をある程度絞り込むことができます。
腹痛はさまざまな病気のサイン
腹痛は消化器の病気だけではなく、泌尿器や婦人科、循環器などの病気でも起こります。
例えば、みぞおちが痛む場合は胃炎や胃潰瘍、右下腹部が痛む場合は虫垂炎、脇腹が激しく痛む場合は尿路結石などが考えられます。
一方で、ストレスや過敏性腸症候群(IBS)のように、命に関わる病気ではないものの、慢性的な腹痛を繰り返すケースもあります。
腹痛の原因は非常に幅広いため、「ただのお腹の不調」と自己判断せず、症状の特徴を確認することが大切です。
痛む場所や症状によって原因は異なる
腹痛は、痛む場所によって原因となる臓器がある程度推測できます。
例えば、右上腹部であれば胆のうや肝臓、左上腹部であれば胃や膵臓、下腹部であれば腸や膀胱、婦人科の病気などが考えられます。
また、発熱・下痢・吐き気・血便・便秘などを伴う場合は、感染症や炎症、腸閉塞などが原因となっている可能性もあります。
そのため、腹痛だけではなく、ほかにどのような症状があるかも重要な判断材料になります。
一時的な腹痛と危険な腹痛の違い
暴飲暴食や冷え、軽い胃腸炎などによる腹痛は、安静や水分補給によって数時間から1日程度で改善することがあります。
一方で、次のような症状がある場合は、重い病気が隠れている可能性があるため注意が必要です。
- 突然起こる激しい腹痛
- 動けないほど強い痛み
- 発熱や繰り返す嘔吐を伴う
- 血便や黒色便が出る
- お腹が硬く張っている
- 痛みが徐々に強くなる
このような症状がある場合は、自己判断せず、できるだけ早く医療機関を受診しましょう。
お腹が痛い場所別に考えられる原因
腹痛は、痛む場所によって原因となる臓器が異なるため、考えられる病気をある程度推測できます。ただし、痛みの場所だけで原因を断定することはできないため、発熱や下痢、吐き気などの症状もあわせて確認することが大切です。
ここでは、お腹の部位ごとに考えられる主な原因や病気を紹介します。

みぞおちが痛い
みぞおちは胃や十二指腸、膵臓などがある部位です。この部分が痛む場合は、胃炎や胃潰瘍、逆流性食道炎、十二指腸潰瘍などの消化器疾患が考えられます。
食後や空腹時に痛みが強くなる場合は胃や十二指腸の病気、背中まで痛みが広がる場合は急性膵炎などの可能性もあります。
また、まれに心筋梗塞など心臓の病気でも、みぞおちの痛みとして現れることがあるため、強い痛みや冷や汗、息苦しさを伴う場合は早めに受診しましょう。
右上腹部が痛い
右上腹部には肝臓や胆のうがあります。
脂っこい食事のあとに痛みが出る場合は胆石症や胆のう炎、発熱を伴う場合は胆管炎などが疑われます。また、肝炎など肝臓の病気でも右上腹部に違和感や痛みが生じることがあります。
痛みが強い場合や発熱、黄疸(皮膚や白目が黄色くなる症状)がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。
左上腹部が痛い
左上腹部には胃や膵臓、脾臓があります。
胃炎や胃潰瘍のほか、急性膵炎や膵臓の病気でも痛みが起こることがあります。膵炎ではみぞおちから左上腹部、背中にかけて強い痛みが広がることが特徴です。
また、脾臓の病気は頻度が高くありませんが、感染症や外傷などが原因で痛みが現れることがあります。
おへその周りが痛い
おへその周囲の痛みは、胃腸炎や腸の炎症、初期の虫垂炎などでみられることがあります。
特に虫垂炎では、最初はおへその周辺が痛み、その後、右下腹部へ痛みが移動することが特徴です。
痛みが次第に強くなったり、発熱や吐き気を伴ったりする場合は、早めに受診しましょう。
右下腹部が痛い
右下腹部の痛みで代表的なのが虫垂炎(盲腸)です。
そのほか、大腸憩室炎や腸の炎症、女性では卵巣の病気や子宮外妊娠などでも右下腹部が痛むことがあります。
急激に痛みが強くなる場合や歩く振動でも痛む場合は、早急な診察が必要です。
左下腹部が痛い
左下腹部には大腸があり、大腸憩室炎や便秘、大腸炎などが原因となることがあります。
女性では子宮内膜症や卵巣の病気など、婦人科疾患が隠れていることもあります。
腹痛に加えて発熱や血便がある場合は、放置せず医療機関を受診しましょう。
脇腹が痛い
脇腹の痛みは、腎臓や尿管の病気で起こることがあります。
代表的なのが尿路結石で、突然、背中から脇腹にかけて激しい痛みが起こることが特徴です。血尿や吐き気を伴うことも少なくありません。
また、腎盂腎炎では発熱や寒気を伴うことが多く、早めの治療が必要です。
お腹全体が痛い
お腹全体が痛む場合は、急性胃腸炎や便秘、過敏性腸症候群など比較的よくみられる病気から、腹膜炎や腸閉塞など緊急性の高い病気までさまざまです。
激しい腹痛に加えて、お腹が硬く張る、嘔吐が続く、ガスや便が出ないといった症状がある場合は、早急に医療機関を受診してください。
お腹が痛い症状別に考えられる原因
腹痛は、痛み方によっても考えられる原因が異なります。同じ場所が痛くても、「キリキリする」「ズキズキする」「突然激しく痛む」など症状の特徴によって疑われる病気が変わるためです。
ここでは、腹痛の症状別に考えられる主な原因を紹介します。
キリキリ痛む
キリキリとした腹痛は、胃や腸のけいれんや炎症によって起こることが多くあります。
代表的な原因として、急性胃腸炎や胃炎、過敏性腸症候群(IBS)、ストレスによる胃腸の不調などが挙げられます。
一時的に改善することもありますが、痛みが長引く場合や繰り返す場合は、消化器内科の受診を検討しましょう。
ズキズキ・刺すように痛む
ズキズキした痛みや刺すような痛みは、炎症が強い病気でみられることがあります。
虫垂炎や胆のう炎、憩室炎、婦人科疾患などでは、炎症が進行すると強い痛みが現れることがあります。
痛みが徐々に強くなる場合や、発熱を伴う場合は早めに医療機関を受診してください。
鈍く重い痛み
鈍い痛みが続く場合は、胃炎や便秘、慢性的な消化器疾患などが原因となることがあります。
また、女性では子宮内膜症や子宮筋腫など婦人科疾患でも鈍痛が続くことがあります。
強い痛みではなくても、数日以上続く場合や日常生活に支障がある場合は受診しましょう。
突然起こる激しい痛み
急に起こる激しい腹痛は、緊急性の高い病気が隠れている可能性があります。
急性虫垂炎、尿路結石、急性膵炎、胆石発作、腸閉塞などでは、急激に強い痛みが現れることがあります。
冷や汗が出るほどの痛みや、動けないほど激しい腹痛、意識がもうろうとする場合は、速やかに救急外来を受診してください。
波がある痛み
痛みが強くなったり弱くなったりを繰り返す場合は、腸や尿管が収縮することで起こる「疝痛(せんつう)」の可能性があります。
尿路結石や胆石症、腸閉塞の初期などでみられることがあり、一定間隔で痛みが繰り返されることが特徴です。
痛みが改善しない場合や、嘔吐や発熱を伴う場合は医療機関を受診しましょう。
食後だけ痛む
食後に腹痛が起こる場合は、胃や胆のうの病気が関係していることがあります。
胃炎や胃潰瘍では食後に胃酸の影響で痛みが出ることがあり、胆石症では脂っこい食事のあとに右上腹部が痛むことがあります。
食後の腹痛を繰り返す場合は、消化器内科で原因を調べてもらうことをおすすめします。
お腹が痛いときに現れる症状から考えられる原因
腹痛は単独で現れることもありますが、下痢や発熱、吐き気などほかの症状を伴う場合は、原因となる病気を推測する手がかりになります。
ここでは、腹痛とあわせて現れやすい症状ごとに、考えられる主な病気を紹介します。
下痢を伴う
腹痛と下痢がある場合は、急性胃腸炎や食中毒、過敏性腸症候群(IBS)、炎症性腸疾患などが考えられます。
特に、発熱や嘔吐を伴う場合はウイルスや細菌による感染症の可能性があります。一方、慢性的に下痢を繰り返す場合は、潰瘍性大腸炎やクローン病などが隠れていることもあります。
下痢が長く続く場合や、血便を伴う場合は早めに受診しましょう。
吐き気・嘔吐を伴う
腹痛と吐き気・嘔吐がある場合は、急性胃腸炎や腸閉塞、虫垂炎、胆のう炎、急性膵炎などが考えられます。
何度も吐いて水分が摂れない場合は脱水症状を起こすことがあるため注意が必要です。
また、激しい腹痛と嘔吐を伴う場合は緊急性の高い病気の可能性もあるため、速やかに医療機関を受診してください。
発熱を伴う
腹痛に発熱がある場合は、体内で炎症や感染が起きている可能性があります。
急性胃腸炎や虫垂炎、胆のう炎、憩室炎、腎盂腎炎などでは、腹痛とともに発熱がみられることがあります。
38℃以上の高熱や、寒気、強い腹痛を伴う場合は、早めに受診しましょう。
血便が出る
腹痛と血便がある場合は、大腸憩室出血や感染性腸炎、潰瘍性大腸炎、大腸がんなどが考えられます。
鮮やかな赤い血便だけでなく、黒色便が出る場合は胃や十二指腸から出血している可能性もあります。
血便が出た場合は自己判断せず、できるだけ早く医療機関を受診してください。
便秘を伴う
腹痛と便秘がある場合は、便秘そのものが原因のこともあれば、腸閉塞や大腸の病気が隠れていることもあります。
数日間排便がなく、お腹の張りや嘔吐を伴う場合は腸閉塞の可能性があるため注意が必要です。
市販の便秘薬で改善しない場合や、腹痛が強い場合は医療機関を受診しましょう。
女性の下腹部痛(月経・婦人科疾患)
女性の下腹部痛では、生理痛や排卵痛のほか、子宮内膜症や子宮筋腫、卵巣のう腫、骨盤内炎症性疾患などの婦人科疾患が原因となることがあります。
また、妊娠の可能性がある方で急な下腹部痛や出血がある場合は、子宮外妊娠など緊急性の高い病気も考えられます。
月経周期に関係なく痛みが続く場合や、強い痛みを伴う場合は婦人科を受診しましょう。
お腹が痛いときに考えられる主な病気
腹痛の原因となる病気は数多くありますが、症状や痛む場所によってある程度絞り込むことができます。
ここでは、腹痛を引き起こす代表的な病気について、それぞれの特徴を紹介します。
急性胃腸炎
急性胃腸炎は、ウイルスや細菌などの感染によって胃や腸に炎症が起こる病気です。
腹痛に加え、下痢や吐き気、嘔吐、発熱などを伴うことが多く、数日から1週間程度で改善するケースが一般的です。
水分補給を心がけ、症状が強い場合や長引く場合は医療機関を受診しましょう。
虫垂炎(盲腸)
虫垂炎は、虫垂に炎症が起こる病気で、「盲腸」と呼ばれることもあります。
初期はおへその周辺が痛み、その後、右下腹部へ痛みが移動するのが特徴です。発熱や吐き気を伴うこともあります。
放置すると腹膜炎を引き起こす可能性があるため、早めの受診が必要です。
胃潰瘍・十二指腸潰瘍
胃潰瘍や十二指腸潰瘍は、胃酸によって胃や十二指腸の粘膜が傷つく病気です。
みぞおちの痛みや胸やけ、吐き気などがみられ、進行すると吐血や黒色便など消化管出血を起こすことがあります。
症状が続く場合は消化器内科を受診し、適切な治療を受けましょう。
胆石症・胆のう炎
胆石症は胆のうに石ができる病気で、胆石が胆管を塞ぐと強い腹痛が起こります。
特に脂っこい食事のあとに右上腹部が痛むことが特徴です。胆のう炎を併発すると発熱や吐き気を伴うこともあります。
強い痛みや発熱がある場合は、早急な治療が必要です。
急性膵炎
急性膵炎は、膵臓に急激な炎症が起こる病気です。
みぞおちから左上腹部にかけて強い痛みが現れ、背中へ広がることもあります。吐き気や嘔吐を伴うことが多く、重症化すると命に関わる場合もあります。
激しい腹痛がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。
尿路結石
尿路結石は、腎臓や尿管に結石ができる病気です。
突然、背中から脇腹、お腹にかけて激しい痛みが起こり、血尿や吐き気を伴うことがあります。
痛みが非常に強いことが多いため、早めの受診が必要です。
過敏性腸症候群(IBS)
過敏性腸症候群(IBS)は、腸に明らかな異常がないにもかかわらず、腹痛や便秘、下痢などを繰り返す病気です。
ストレスや生活習慣が影響することも多く、排便によって腹痛が軽くなることがあります。
症状が続く場合は、ほかの病気との鑑別も含めて医療機関で相談しましょう。
便秘
便秘では、腸内に便がたまることで腹痛やお腹の張りが起こることがあります。
水分不足や食物繊維不足、運動不足などが原因となることが多く、生活習慣の改善で良くなる場合もあります。
一方、急な便秘や強い腹痛を伴う場合は、腸閉塞などの病気が隠れている可能性もあるため注意が必要です。
大腸憩室炎
大腸憩室炎は、大腸の壁にできた憩室に炎症が起こる病気です。
左下腹部の痛みが多く、発熱や便通異常を伴うことがあります。
重症化すると膿瘍や腹膜炎を引き起こすことがあるため、症状がある場合は早めに受診しましょう。
婦人科疾患
女性では、子宮内膜症や卵巣のう腫、子宮筋腫、骨盤内炎症性疾患などが腹痛の原因となることがあります。
月経周期と関係して痛みが現れることもありますが、突然の強い下腹部痛や不正出血がある場合は緊急性の高い病気の可能性もあります。
症状が続く場合は、婦人科を受診しましょう。
大腸がんなど重大な病気
慢性的な腹痛や便通異常、血便、体重減少などがある場合は、大腸がんなどの病気が隠れている可能性があります。
初期には自覚症状が少ないこともあるため、症状が長く続く場合や改善しない場合は、消化器内科で検査を受けることが大切です。
お腹が痛いときの対処法
腹痛が起きたときは、原因に応じた適切な対応が大切です。軽い胃腸炎や一時的な消化不良であれば自宅で様子を見られることもありますが、対処法を誤ると症状が悪化する場合もあります。
ここでは、腹痛があるときに自宅でできる対処法と注意点を紹介します。
安静にして様子を見る
軽い腹痛であれば、無理に動かず安静に過ごすことで改善することがあります。
特に、暴飲暴食や軽い胃腸炎、ストレスなどが原因の場合は、身体を休めることで症状が落ち着くケースも少なくありません。
ただし、痛みが徐々に強くなる場合や長時間改善しない場合は、自己判断せず医療機関を受診しましょう。
水分補給を行う
下痢や嘔吐を伴う腹痛では、水分不足になりやすいため、こまめな水分補給が大切です。
一度に大量に飲むと吐き気が強くなることがあるため、少量ずつゆっくり飲むようにしましょう。
経口補水液やスポーツドリンクは、水分と電解質を補給するのに役立ちます。
消化の良い食事を選ぶ
腹痛があるときは、胃腸に負担をかけない食事を心がけましょう。
おかゆやうどん、スープ、豆腐など消化の良い食品がおすすめです。一方で、脂っこい料理や香辛料の多い料理、アルコール、カフェインは胃腸への刺激となるため、症状が改善するまでは控えましょう。
食欲がない場合は、無理に食事を取る必要はありません。
市販薬を使用するときの注意点
胃薬や整腸剤などの市販薬で症状が改善することもありますが、原因がわからないまま使用するのは注意が必要です。
特に、強い腹痛がある場合に鎮痛薬を服用すると、症状が一時的に和らぎ、重い病気の発見が遅れる可能性があります。
市販薬を使用しても改善しない場合や症状が悪化する場合は、医療機関を受診してください。
避けたほうがよい行動
腹痛があるときは、自己判断で下剤や鎮痛薬を使用したり、無理に食事を取ったりすることは避けましょう。
また、激しい運動や飲酒、刺激物の摂取は症状を悪化させる可能性があります。
なお、腹痛があるからといって、お腹を温めれば必ず改善するとは限りません。虫垂炎など炎症が原因の腹痛では、温めることで症状が悪化する可能性もあります。
痛みが強い場合や原因がはっきりしない場合は、自宅で様子を見続けるのではなく、早めに医療機関へ相談することが大切です。
お腹が痛いときは病院へ行くべき?
腹痛の多くは自然に改善することもありますが、中には早急な治療が必要な病気が隠れている場合もあります。
「様子を見てもよい腹痛」と「すぐに受診が必要な腹痛」を見極めることが大切です。
すぐに救急受診が必要な症状
次のような症状がある場合は、速やかに救急外来を受診するか、救急車を呼ぶことを検討してください。
- 突然、耐えられないほどの激しい腹痛が起こった
- お腹が硬く張り、触れるだけでも強く痛む
- 血便や大量の吐血、黒色便がある
- 高熱と激しい腹痛を伴う
- 意識がもうろうとしている
- 冷や汗や顔面蒼白などショック症状がある
これらは腹膜炎や腸閉塞、急性膵炎、大量出血など、緊急性の高い病気が原因となっている可能性があります。
できるだけ早く受診したほうがよい症状
次のような場合は、当日または翌日までを目安に医療機関を受診しましょう。
- 腹痛が数時間以上続いて改善しない
- 発熱や吐き気、嘔吐を伴う
- 下痢や便秘が長引いている
- 食事や水分を十分に取れない
- 同じような腹痛を何度も繰り返している
- 妊娠中に腹痛がある
- 高齢者や乳幼児に腹痛がみられる
症状が軽いように感じても、病気が進行している可能性があるため、早めに医療機関で相談することが大切です。
様子を見てもよい腹痛
暴飲暴食や軽い消化不良などが原因と思われる腹痛は、安静にして水分補給を行うことで改善することがあります。
しかし、症状が改善しない場合や痛みが強くなる場合、新たに発熱や血便などの症状が現れた場合は、様子を見続けず医療機関を受診してください。
腹痛は一見軽そうに見えても、重大な病気が隠れていることがあります。不安な場合は、自己判断せず医師に相談することをおすすめします。
お腹が痛いときは何科を受診すればよい?
腹痛があるものの、「何科を受診すればよいかわからない」と迷う方も少なくありません。
腹痛の原因によって適した診療科は異なるため、症状に応じて受診先を選ぶことが大切です。
内科
腹痛の原因がはっきりしない場合は、まず内科を受診するのがおすすめです。
問診や診察を行い、必要に応じて消化器内科や外科、泌尿器科、婦人科など適切な診療科を紹介してもらえます。
消化器内科
胃や腸、肝臓、胆のう、膵臓など消化器の病気が疑われる場合は、消化器内科が適しています。
胃炎や胃潰瘍、急性胃腸炎、大腸疾患などの診断・治療を受けることができます。
婦人科
女性で下腹部痛がある場合や、生理不順、不正出血を伴う場合は婦人科を受診しましょう。
子宮内膜症や卵巣の病気、子宮外妊娠など、婦人科疾患が原因となっていることがあります。
泌尿器科
脇腹から背中にかけての痛みや血尿、排尿時の痛みがある場合は、泌尿器科の受診を検討してください。
尿路結石や腎盂腎炎、膀胱炎などの病気が見つかることがあります。
小児科(子どもの場合)
子どもの腹痛は、胃腸炎や便秘だけでなく、虫垂炎や腸重積などが原因となることもあります。
乳幼児は症状をうまく伝えられないため、機嫌が悪い、何度も泣く、嘔吐を繰り返すなどの様子があれば、早めに小児科を受診しましょう。
お腹が痛い原因についてのよくある質問
お腹が痛いのに下痢や便秘がないのはなぜですか?
腹痛があっても、必ずしも下痢や便秘を伴うとは限りません。
胃炎や胃潰瘍、胆石症、尿路結石、虫垂炎などでは、腹痛だけが現れることもあります。また、ストレスによる過敏性腸症候群(IBS)でも、便通異常が目立たない場合があります。
腹痛が続く場合や痛みが強い場合は、医療機関を受診しましょう。
ストレスでもお腹は痛くなりますか?
はい。ストレスが原因で腹痛が起こることがあります。
強いストレスや緊張によって自律神経のバランスが乱れると、胃や腸の働きに影響し、腹痛や下痢、便秘などの症状が現れることがあります。
ただし、腹痛の原因がすべてストレスとは限りません。症状が続く場合は、ほかの病気が隠れていないか確認することが大切です。
お腹が痛いときは温めたほうがよいですか?
原因によって異なります。
冷えや生理痛、胃腸のけいれんなどでは、お腹を温めることで症状が和らぐことがあります。一方、虫垂炎や胆のう炎など炎症が原因の場合は、温めることで悪化する可能性もあります。
原因がわからない場合や強い腹痛がある場合は、自己判断で温めず、医療機関へ相談しましょう。
腹痛が何日くらい続いたら受診したほうがよいですか?
腹痛が数時間から1日程度で改善しない場合や、繰り返し起こる場合は受診をおすすめします。
また、発熱や吐き気、血便、激しい痛みなどを伴う場合は、期間にかかわらず早めに医療機関を受診してください。
腹痛は重大な病気が原因となっていることもあるため、「そのうち治るだろう」と放置しないことが大切です。
市販薬を飲んでも大丈夫ですか?
軽い胃もたれや消化不良などであれば、市販の胃薬や整腸剤が役立つことがあります。
しかし、原因がわからないまま鎮痛薬を服用すると、症状が隠れて診断が遅れる可能性があります。
市販薬を使用しても改善しない場合や、症状が悪化する場合は、自己判断を続けず医療機関を受診しましょう。
Q. 便が出ていないのにお腹が痛いのはなぜですか?
便秘で腸にガスや便がたまると、腸が張って痛みが出ることがあります。数日排便がなく、お腹の張りや吐き気を伴う場合は、腸の動きが止まっていることもあるため受診してください。
また、便が出ていなくても、胃炎・胃潰瘍、尿路結石、婦人科の病気など、腸以外が原因で痛むこともあります。排便の有無だけで原因は判断できません。
Q. 性交後に下腹部が痛むときは何科を受診すればよいですか?
女性では婦人科、男性では泌尿器科が相談先の目安です。女性の場合、骨盤内の炎症や卵巣の病気などが痛みの原因になっていることがあります。
強い痛みが続く、発熱や不正出血を伴う、痛みで動けないといった場合は、早めに受診してください。性感染症が心配なときは、症状がなくても検査について相談しましょう。
お腹が痛い原因を知り早めに受診しよう
お腹が痛い原因は、胃腸の不調や便秘など比較的軽いものから、虫垂炎や胆のう炎、急性膵炎など早急な治療が必要な病気までさまざまです。
腹痛があるときは、痛む場所や痛み方、下痢・発熱・吐き気などの症状を確認することで、考えられる原因をある程度推測できます。
一方で、突然の激しい腹痛や血便、高熱を伴う場合は、重大な病気が隠れている可能性があります。自己判断で様子を見続けず、できるだけ早く医療機関を受診することが大切です。
腹痛が続く場合や原因がわからず不安な場合は、一人で悩まず医師に相談し、適切な診断と治療を受けましょう。
症状が気になる場合や、体調に異変を感じたら自分で判断せず、医療機関に相談するようにしましょう。
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■ 参考・出典
- プライマリ・ケアにおける疼痛疾患の診断 日本内科学会専門医部会支部セミナー
- Point of Care超音波検査を活用した腹痛患者診療の質的向上に関する研究 函館市医師会/函館動脈硬化懇談会