膀胱結石ぼうこうけっせき
膀胱結石は、膀胱内で尿中の成分が結晶化し、石となって蓄積する病気です。排尿時の痛みや頻尿、血尿などの症状を引き起こし、高齢者や排尿障害のある人に多くみられます。治療には内視鏡による摘出が一般的です。
膀胱結石とは?
膀胱結石は、膀胱内で尿中のミネラル成分が結晶化し、石のような硬い塊(結石)となって形成される疾患です。尿が膀胱内に長くとどまりやすい状態(残尿)が続くと、結石ができやすくなります。
結石の大きさは数ミリから数センチとさまざまで、小さな結石は無症状で経過することもありますが、大きくなると排尿障害や痛み、血尿などを引き起こします。男性では前立腺肥大症などの排尿障害を背景に発症することが多く、高齢者に多い病気です。
また、腎結石や尿管結石が膀胱まで落下してできる「二次性膀胱結石」もあります。適切な治療を行わないと、膀胱炎や尿路感染症の反復、膀胱機能の低下を引き起こすことがあります。
原因
膀胱結石は、尿が膀胱内にうまく排出されず滞留することで、尿中の成分が結晶化して石が形成されます。そのため、尿の流れを妨げるような疾患がある場合に発生しやすくなります。
主な原因
- 前立腺肥大症:男性の高齢者に多く、排尿困難から残尿が生じやすい
- 神経因性膀胱:排尿機能がうまく働かないため、膀胱内に尿がたまる
- 膀胱瘻・尿道カテーテルの長期留置:異物が核となって結石が形成される
- 慢性膀胱炎:炎症により結石形成が促進される
- 水分摂取不足:尿が濃縮され、結晶ができやすくなる
- 食生活の偏り(高カルシウム食、高プリン食)
- 尿管結石の落下:腎や尿管で形成された結石が膀胱内に留まることで二次性結石になる
残尿と尿の停滞が最大の危険因子であり、その背景疾患の評価が重要です。
症状
膀胱結石の症状は、結石の大きさや数、動きやすさによって変わります。排尿に関係する症状が中心で、痛みや不快感を伴うことが多く、日常生活に支障をきたすことがあります。
主な症状
- 排尿時痛:膀胱内で結石が粘膜を刺激するため
- 頻尿、残尿感:結石が膀胱の感受性を高める
- 尿の中断(尿の途中で止まる):排尿中に結石が尿道口を一時的に閉塞するため
- 尿勢低下、排尿困難:排尿に力が必要になる
- 血尿:特に排尿終末時に出やすい(結石による粘膜損傷)
- 尿のにごり:細菌感染を伴うことがある
- 下腹部痛や陰部への放散痛:結石が動く際に強まる
- 夜間頻尿:膀胱刺激による
無症候性の場合
- 定期検査やエコーで偶発的に見つかることもあり
進行すると膀胱炎や腎盂腎炎などの合併症を引き起こすため、早期発見が望まれます。
診断方法と治療方法
診断
- 問診・身体診察:排尿症状の有無、前立腺肥大や神経疾患の既往
- 尿検査:血尿、膿尿、感染の有無を確認
- 画像診断:
- 腹部超音波検査:結石の大きさ、位置、残尿量の評価
- 単純X線撮影(KUB):カルシウム含有結石の検出
- CT検査:すべての成分の結石を高精度に確認できる - 膀胱鏡検査:内視鏡で直接観察して診断確定、結石の治療も兼ねることが多い
治療
- 小さな結石(数ミリ):自然排石を期待して経過観察や薬物療法(α遮断薬)
- 中〜大結石または症状あり:経尿道的結石除去術(TUR-C)による内視鏡的破砕・吸引
- 極端に大きい結石や再発例:経腹的摘出術(開腹術)
- 合併する基礎疾患(前立腺肥大、神経因性膀胱など)の治療が再発予防に重要
尿の通り道の評価と、根本原因への対処が治療方針を左右します。
予後
膀胱結石は、適切な治療が行われれば予後は比較的良好です。ただし、結石だけでなく、その原因となった基礎疾患の治療や管理が重要で、再発の可能性も十分にあります。
予後が良好なケース
- 小さな結石が自然に排出された場合
- 内視鏡手術で結石が完全に除去され、合併症もない
- 前立腺肥大や排尿障害に対して併用治療が行われた場合
再発や注意が必要なケース
- 神経因性膀胱や慢性残尿が改善されていない場合
- カテーテル留置や感染が続いている状態
- 水分摂取や排尿管理が不十分で、再び尿が停滞しやすい環境にある場合
予後の安定には、再発防止に向けた生活管理と定期的なフォローアップが必要です。
予防
膀胱結石は、排尿障害や感染、異物などの明確な原因により形成されることが多いため、それらの因子を排除・改善することで予防が可能です。
基本的な予防法
- 水分摂取を増やす(尿を希釈して結晶形成を防ぐ)
- 尿を我慢しない、定期的に排尿する
- 夜間も尿意を我慢せず排尿する
- 便秘の解消(排尿に影響を与える)
- バランスの取れた食生活:カルシウム・プリン・塩分の摂取バランスを調整
- カテーテル管理:感染予防と定期的な交換を徹底
- 前立腺肥大など排尿障害の早期治療
再発予防のために
- 尿流量や残尿量の定期的評価
- 尿検査やエコー検査によるフォローアップ
- 尿のpHコントロール(必要時は薬剤使用)
生活習慣と排尿習慣の両面からの予防が重要です。
関連する病気や合併症
膀胱結石は単独でも症状を起こしますが、しばしば他の泌尿器疾患と関連しており、合併症を引き起こすことがあります。
合併症
- 膀胱炎:結石が粘膜を刺激し、細菌感染が起こりやすくなる
- 腎盂腎炎:膀胱から腎臓への感染波及
- 水腎症:尿の流れが妨げられ、腎臓に水がたまる
- 尿閉:結石による膀胱出口の閉塞
- 尿道損傷:移動した結石が尿道を傷つける
- 慢性膀胱刺激症状:頻尿、尿意切迫などが残存
- 膀胱機能の低下:慢性的な刺激による筋肉の変性
関連疾患
- 前立腺肥大症、神経因性膀胱、尿道狭窄、尿路感染症、糖尿病
結石だけでなく、背景疾患の把握と管理が再発防止と予後改善の鍵となります。
症状が気になる場合や、体調に異変を感じたら自分で判断せず、医療機関に相談するようにしましょう。
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■ 参考・出典
厚生労働省e-ヘルスネット「尿路結石症」(https://kennet.mhlw.go.jp/home)
日本泌尿器科学会「尿路結石症診療ガイドライン」(https://www.urol.or.jp/)
日本内科学会「内科学 第11版」
国立国際医療研究センター「泌尿器疾患と排尿障害」(https://www.ncgm.go.jp/)
- 公開日:2025/07/16
- 更新日:2026/02/19
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