カンジダ症かんじだしょう

カンジダ症は、もともと体にいる「カンジダ菌」が増えすぎることで起こる真菌感染症です。口の中や性器、皮膚に起こるタイプが多く、かゆみや白い苔状の分泌物が特徴です。免疫力が低い方では血液や内臓に広がり、重症化することもあります。

⚫︎カンジダ症とは?

カンジダ症は、「カンジダ」という酵母(真菌=カビの仲間)が増えすぎて起こる感染症の総称です。代表的な菌はカンジダ・アルビカンスで、健康な人の口の中や腸、膣(ちつ)などにもふつうに存在しています(常在菌)
ふだんは症状を起こしませんが、免疫力の低下や抗生物質の使用などでバランスが崩れると、口腔カンジダ症、腟カンジダ症、皮膚カンジダ症などとして症状が出てきます。重い持病がある方では、血液や内臓に広がる「侵襲性カンジダ症」を起こすこともあり注意が必要です。

⚫︎カンジダ症の原因

主な原因は、「カンジダ菌が増えやすい環境になること」です。

抗菌薬(いわゆる抗生物質)の長期使用

他の細菌が減ってしまい、カンジダが増えやすくなります。腟カンジダ症や口腔カンジダ症のきっかけとして多いとされています。

免疫力の低下

糖尿病、がんや血液の病気、HIV感染症、抗がん剤・ステロイド・免疫抑制薬の使用、高齢・乳幼児などでは、カンジダが増えやすくなります。

局所環境の変化

通気性の悪い下着やおりものシートの長時間使用、きついジーンズ、膣の洗いすぎ(デリケートゾーン用でない洗浄剤)、合わない入れ歯や口の乾燥なども発症のきっかけになります。

⚫︎カンジダ症の症状は?

症状は、カンジダがどこで増えているかによって異なります。

1)腟・外陰部のカンジダ症(腟カンジダ)

  • 強いかゆみ、ヒリヒリした痛み
  • 酒かす状・カッテージチーズ状の白いおりもの(量が増えることも)
  • 外陰部の赤み、腫れ、ただれ

2)口腔カンジダ症

  • 舌や頬の内側、上あごなどに白い苔のような付着物
  • はがすと赤くただれ、しみたり痛んだりする
  • 口の中の違和感、味の変化、口内炎のような痛み

3)皮膚・おむつ部のカンジダ症

  • 股、脇、乳房の下、指の間などの赤み・かゆみ・ただれ
  • 乳児のおむつかぶれが長引き、周りに小さな赤いぶつぶつが出る

4)深いカンジダ症(食道・血液・内臓など)

  • 飲み込み時の胸の痛みやつかえ感(食道カンジダ)
  • 原因不明の高熱、寒気、ふらつき(カンジダ血症)

⚫︎受診の目安

次のような場合は、医療機関の受診をおすすめします。

  • デリケートゾーンの強いかゆみと白いポロポロしたおりものがある
  • 市販の腟カンジダ薬を使っても、何度もくり返す
  • 舌や頬の内側に白い苔がつき、しみる・痛い状態が続く
  • おむつかぶれが長引き、赤い発疹が広がっている
  • 糖尿病やがん治療中、ステロイド内服中などで、発熱や咳、だるさが続く

症状の部位に応じて、腟の症状なら婦人科、口の中なら歯科・口腔外科・耳鼻咽喉科、皮膚なら皮膚科、発熱など全身症状なら内科・感染症内科が受診の目安になります。

⚫︎診断方法と治療方法(全体像)

診断は

  • 症状の出ている部位の診察
  • 分泌物や付着物、皮膚の一部を採取して顕微鏡で観察
  • 必要に応じて培養検査(菌を育てて確認)や血液検査

などを組み合わせて行います。

治療の中心は「抗真菌薬(カンジダに効く薬)」で

  • 局所の塗り薬・腟錠・トローチ・うがい薬
  • 内服薬(飲み薬)
  • 点滴による抗真菌薬

を症状の強さや広がりに応じて使い分けます。同時に、抗菌薬の調整、糖尿病のコントロール、入れ歯や下着・生活習慣の見直しなど、カンジダが増えた背景にも目を向けます。

⚫︎カンジダ症の診断

1)問診・診察

  • いつから、どの部位に、どのような症状があるか
  • 市販薬や以前の治療歴
  • 糖尿病、がん、HIV感染症などの持病の有無

2)局所検査

  • 腟分泌物、口腔内の白い苔、皮膚の鱗屑(皮がむけたところ)などを少量採取
  • 顕微鏡でカンジダの菌糸や酵母状の細胞を確認します。
  • 場合によっては培養検査で菌の種類や薬の効きやすさを調べます。

3)血液・画像検査(深い感染が疑われる場合)

  • 血液培養で血液中のカンジダの有無を調べる
  • 胸部X線やCTで肺の影を確認する
  • 眼底検査で眼内炎の有無を確認することもあります。

⚫︎カンジダ症の治療

A. 口腔・腟・皮膚などのカンジダ症

口腔カンジダ症

抗真菌薬のうがい薬やゲル、トローチなどを1〜2週間ほど使用します。入れ歯を外して洗浄し、口の乾燥を防ぐことも大切です。

腟カンジダ症

抗真菌薬の腟錠やクリームを数日〜1週間程度使用します。くり返す場合には、内服の抗真菌薬を一定期間使うこともあります。

皮膚・おむつ部カンジダ症

抗真菌薬の塗り薬を使用し、皮膚を清潔かつ乾燥した状態に保つよう心がけます。

B. 深在性カンジダ症・カンジダ血症

  • 入院のうえ、点滴で抗真菌薬(エキノカンジン系、アゾール系、ポリエン系など)を投与します。
  • 中心静脈カテーテルなど、感染源になりうる器具は可能な限り抜去します。
  • 血液培養が陰性になった後も、一定期間(少なくとも2週間以上)治療を続けます。

C. 薬の飲み合わせの注意

一部の抗真菌薬は、他のお薬(血液をサラサラにする薬など)との飲み合わせに注意が必要です。持病で薬を飲んでいる方は、必ず医師・薬剤師に相談してください。

⚫︎カンジダ症の予後

  • 口腔カンジダ症、腟カンジダ症、皮膚カンジダ症の多くは、適切な治療を行えば数日〜数週間で改善します。
  • ただし、生活習慣や基礎疾患がそのままだと再発しやすく、何度もくり返すことがあります。
  • 深在性カンジダ症やカンジダ血症は重い病気で、免疫力が弱い方では死亡率も高くなります。早期に見つけて治療を開始すること、糖尿病などの背景の病気をきちんと管理することが予後を大きく左右します。

⚫︎カンジダ症の予防

日常生活でできる主な予防のポイントです。

  • デリケートゾーンや足、脇などをやさしく洗い、よく乾かす
  • 通気性のよい下着や衣類を選び、きつい服を長時間続けない
  • おりものシートやナプキンはこまめに交換する
  • 入れ歯は毎日外して洗浄し、就寝時には外す

再発をくり返す場合は、生活習慣や持病、薬の影響などを一緒に整理しながら、主治医と長期的な対策を相談していくことが大切です。

⚫︎カンジダ症に関連する病気や合併症

  • 口腔カンジダ症、食道カンジダ症
  • 腟カンジダ症、外陰カンジダ症
  • 皮膚・おむつ部カンジダ症、爪カンジダ症
  • カンジダ血症、カンジダ眼内炎
  • 肝臓・脾臓・腎臓・脳などの深在性カンジダ症

重い合併症として、敗血症(全身に菌が回る状態)、多臓器不全、視力障害(眼内炎)などがあり、特に入院中や免疫不全のある方では、医療チームによる継続的な感染管理が重要になります。

⚫︎まとめ

カンジダ症は、生体内に常在する真菌(カンジダ属)が、宿主の免疫状態や菌交代現象によって過剰増殖し発症する真菌感染症です。 表在性であれば外用薬や局所療法により比較的速やかな改善が見込まれますが、深在性(血流や内臓への感染)に至った場合は重篤な転帰を辿る可能性があるため、注意を要します。

自己判断による市販薬の連用で症状を繰り返す場合や、基礎疾患の加療中に発熱等の全身症状を伴う場合は、速やかに医療機関を受診してください。適切な抗真菌薬の選択とともに、生活習慣の改善や基礎疾患の管理を徹底し、再発を抑える治療戦略を構築することが重要です。

症状が気になる場合や、体調に異変を感じたら自分で判断せず、医療機関に相談するようにしましょう。

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■ 参考・出典

■ この記事を監修した医師

赤松 敬之医師 西梅田シティクリニック

近畿大学 医学部 卒

近畿大学医学部卒業。
済生会茨木病院にて内科・外科全般を担当。
その後、三木山陽病院にて消化器内科・糖尿病内科を中心に、内視鏡を含む内科全般にわたり研鑽を積む。
令和2年9月、大阪梅田に『西梅田シティクリニック』を開院。

「患者様ファースト」に徹底した医療マインドを持ち、内科診療にとどまらず健診センターや複数のクリニックを運営。 医療の敷居を下げ、忙しい方々にも医療アクセスを向上させることを使命とし、さまざまなプロジェクトに取り組む。 医院経営や医療関連のビジネスにも携わりつつ、医療現場に立ち続ける。
さらに、医師として医薬品の開発や海外での医療支援にも従事している。

  • 公開日:2026/03/10
  • 更新日:2026/03/10

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